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テクノロジー業界の監視団体がフェイスブックの無力な監督委員会に辞めろと訴える
AI.

大手テクノロジー企業に対する批判の潮流を契機として新しくできた非営利団体が、Facebook(フェイスブック)の監督委員会のメンバーに対して、もっと強い力を持つか、それができなければ辞めろと訴えている。このAccountable Techという団体は公開書簡で、米国のフェイスブックの監督委員会の5名のメンバーに「本当の権限を与えるように要求するか」、それともその職を辞すよう求めている。

その書簡は次のように書かれている。 「表現の自由と人権と民主主義的価値観への率直なコミットメントのために、あなた達は選ばれている。今こそが、これらの原則を支持する時だ。私達は謙虚に、このフェイスブックの安っぽいお芝居の共謀者になることを拒否されるようお願いしたい。直ちにフェイスブックに対して要求するか、それがだめなら立ち去られることを求めたい」。

Accountable Techは、2017年の草の根運動(The NewYork Times記事)を組織して指揮したNicole Gill(ニコール・ギル)氏とJesse Lehrich(ジェシー・レーリッヒ)氏が創設した進歩的なプロジェクトだ。レーリッヒ氏は2016年のHillary Clinton(ヒラリー・クリントン)氏の選挙戦で外交政策のスポークスマンを務めた。氏は同年のロシアの偽情報工作に対するクリントン陣営の対応にも携わり、米国の大統領選を襲ったオンラインの脅威に最前線で立ち向かった。

ギル氏はTechCrunchに対して「フェイスブックはうわべを取り繕う名人だ。監督委員会も、大げさなソリューションとして何年も前から喧伝している。しかしそのプラットフォームが抱える問題は今やかつてないほど緊急であり、それに対し監督委員会は無力だ」と語っている。

この公開書簡には、Center For American Progress Action Fund、Free Press、Sierra Clubといった他の団体も署名している。書簡はフェイスブックの最近の人権監査からの発見を引用して、監督委員会の権限を疑い委員会の正式の立ち上げの遅れを指摘している。最初に発表されたのは2018年だが、選挙の年である2020年になってもまだ動き出していない。

多くの人が、フェイスブックのコンテンツの決定に関する独立した監督を行うために、委員会の正式な業務開始を期待していることは承知している。私たちもこの緊急性を共有しているが、委員会の活動開始は今秋の終わり頃になる。

同委員会の名目上の仕事は、フェイスブックとInstagramから削除すべきコンテンツに関する決定であるため、委員会はフェイスブックのプラットフォームから選挙関連の偽情報を除く役割を演じてもよい。それらは、11月が近づくにつれてますます脅威となる。しかしフェイスブックの制約的な内規(Accountable Techリリース)と、放置されたコンテンツではなく実際に取り除かれるコンテンツにフォーカスされていることから、その監督努力は多くの人びとから最初から無力だと評されていた(未訳記事)。

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監督委員会はさておき、フェイスブックは少なくとも有益な投票情報の広めるために多少の努力をした。ルール破りに対抗することに比べると楽な、防御的姿勢だ。先週同社は、国の選ばれたお役人たちによる投票関連のポストにある精査済みの情報へのリンクにinfoラベルを付けた(未訳記事)。そのうち、米国のすべての投票関連ポストに付くのだろう。

2020年6月初めにAccountable Techは、忘れてならないフェイスブック広告というキャンペーンを行った。そのターゲットはフェイスブック社員だ。キャンペーンの広告はフェイスブックの社員に、会社の責任を問うように促し、一部の社員がバーチャルのストライキで、あの今や悪名高いポストに抗議した翌日に出た。それは、George Floyd(ジョージ・フロイド)氏を殺害した警官に抗議する人々を撃つと脅した大統領のポストだ。

フェイスブックはまた、メールによる投票に関するトランプ大統領の嘘の主張(Facebookページ)でも責められている。それらの嘘は、文脈の説明も修正もなく、フェイスブック上に残っている。こうしたさまざまな例が多いため、2020年の選挙に向けてソーシャルプラットフォームの役割がさらに重要になる中でフェイスブックへの懸念や心労も深まり、それらは公開書簡の著者たちによって明示的になった。

その公開書簡は「グローバルなパンデミック、人種をめぐる正義の転換期そして真実の危機という未曾有の選挙シーズンが始まるが、こんな状況の中ではフェイスブックの有害な現状維持の姿勢を受け入れることはできない。ましてや、その姿勢に偽りの正当性を与えている無力な監督委員会を、認めるわけにはいかない」と述べられている。

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画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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