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名門VCセコイアキャピタルの創業者向け短期集中内部研修とは?
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あなたがSequoia Capital(セコイアキャピタル)についてどう思っていようと、会社自身は過去の栄光にすがっているわけではない。途方もない金額を管理し、数十年にわたり世界のトップベンチャーファームの1つと目されてきたが、現状に適応しながら最も有望な創業者に最初に目をつけるため、常に新しい方法を探っている。

たとえば、セコイアはスカウトを採用した最初のファームだった。同社は最近、増え続ける競合他社を引き離すため、創業者向けのカリキュラムに細かく手を入れ始めた。同社が投資したプレシード、シードステージのスタートアップだけでなく、シリーズA、Bステージの創業者も対象だ。

2017年以来ファームの米国ヘッドを務めるRoelof Botha(ロエロフ・ボサ)氏と約4年間セコイアのパートナーであるJess Lee(ジェス・リー)氏によると、その構想はセコイアがもつ膨大な「部族の知識」(内部に蓄積したノウハウ)で創業者を武装し、彼らにライバルと戦う力を与え、あわよくばライバルを凌駕してもらうことだという。「我々はこれまで求められれば提供することにしていた」とボサ氏は言う。「『では制度化してはどうか』と考えた」という。

カリキュラムはどんな感じで進むのか。おおむねご想像のとおりだ。プレシードとシードステージ向けのプログラムは、レーターステージのプログラムよりも短いが、より集中的だ。1日3〜6時間で3週間続けるプログラムを考えてほしい。一方、より成熟した会社の創業者でみっちりと参加できない場合、10週間まで延ばして断続的なプログラムにすることができる。

内容も大きく異なる。シードステージモジュールはプレッシャーの下でも崩壊しない土台作りに関するものだが、レーターステージのセッションは各種指標や販売組織の構築など、より成熟した企業の組織作りに重点を置く。

いずれのプログラムも完全にオプトインであり、これまで過去3年間で80人の創業者が参加した。さらに20人がシードステージプログラムに申し込み済みであり、実質的には今週始まる。どちらも非常にインタラクティブで、創業者が十分な「成果物を持って帰る」ことができるワークショップも含まれている。「全員がプレゼン(show-and-tell demo)を行う。まず見ることがない『ソーセージ作り』(普段は成果物の作成過程を見る機会がないものの例え)にお目にかかれる」。

リー氏は、セコイアの社内デザインパートナーであるJames Buckhouse(ジェームズ・バックハウス)氏とストーリーテリングを中心にプログラムをリードすることになった(最近のExtra Crunchイベントでモジュールの一部を紹介した。この記事の最後に動画がある)。そのほかにもファームの多くのパートナーがプログラムに関与した。

例えば、以前Zappos(ザッポス)でCOOと会長を経験し、セコイアのパートナーを長く務めるAlfred Lin(アルフレッド・リン)氏は、文化に関するモジュールを教えている。同じくセコイアのパートナーで、以前はGoogle(グーグル)のシニアディレクターだったBryan Schreier(ブライアン・シュライアー)氏は、カテゴリー創造と製品の販売方法について話す。セコイアに対し2017年初め約1億ドル(約107億円)をZoomに投資するよう説得(未訳記事)したことで有名な、VMwareの社長兼COOだったCarl Eschenbach(カール・エッシェンバッハ)氏は、市場開拓戦略について創業者にアドバイスする。

結果として創業者は、自社の取締役会に参加するパートナー以外にも、ファームの多くのパートナーに接することになる。時間が経てばセコイアが投資するJulia Hartz(ジュリア・ハーツ)氏やTony Xu(トニー・シュー)氏のような創業者に会う機会もある。彼らは、仲間へのアドバイスのためにファームに立ち寄ることがある。リー氏は、2つの組み合わせがコミュニティの育成に大きく貢献すると語る。

実際、「コミュニティは(プログラムの)真に中核的な要素だ」とリー氏は述べ、「各コホートは互いにしっかり結びついている」と付け加えた。

プログラムが最初に始まったのは2018年で、今年初めまではもちろん対面で行われていた。ボサ氏は「プログラムは当面、オンラインで行われるだろう」と語り、「私がシリーズAステージプログラム全体の司会を務める」と述べた。一方アーリーステージの創業者向けプログラムの司会はリー氏が担当する。

セコイアは「バーチャル環境への移行によって何かがスローダウンしてしまったということはなく、むしろセコイアの投資先の創業者の参加が増えた」と主張している。リー氏によれば、かつてはセッションに参加するため飛行機で来た人もいた。

実際、ボサ氏が現時点で予測できる大きな変化は「遠隔地の労働力を前提とするカルチャーにどう向き合うか」に関する教育をさらに取り入れることだ。

ボサ氏が言うように、将来人々がより小さなハブで働いたり、オフィスに交代で出勤したり、完全にリモートで作業したりする可能性があるなら「マネージャーを務めるのが初めてで、散らばったチームを管理する必要がある若い創業者はそれが何を意味するかを理解することに興味があるはずだ。

それは間違いなく「創業者の人間関係のスキルを必要とする」ことになると同氏は指摘する。

画像クレジット:Smith Collection/Gado / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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