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ソニー、人工知能でハイレゾ相当にできるヘッドホン AIは手段に過ぎない?
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ソニー株式会社は8月7日、人工知能(AI)技術を活用することで、ハイレゾリューション・オーディオ(ハイレゾ)相当のクリアな音を実現するとうたう、ワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM4」を発売した。価格は4万円前後(税抜き)を想定している。

今回は同ヘッドホンについて、「なぜAIを導入するにいたったのか?」「AIを導入したことによる最大の強みは何か?」など、ソニーの広報に問い合わせた。一部考察を加えながら、ソニーの広報担当者による回答を公開する。

「音楽体験を最適化する手段としてAIを導入した」

まず、「なぜ『WH-1000XM4』にAIを導入するにいたったのか?」聞いてみると、以下のように経緯を説明してくれた。

ソニー広報

「『1000Xシリーズ』は歴代、業界最高クラスのノイズキャンセリング性能を実現しています。今回発表した『WH-1000XM4』も同様に、業界最高クラスのノイズキャンセリング性能を実現しています。これに加えて、新たな付加価値として、お客様個人にあわせた音楽体験を自動で最適化するスマート機能も搭載しました。それら音楽体験を最適化するスマート機能を実現する手段として、各機能にAI技術を導入するにいたっています」

「1000XMシリーズ」はガジェット系メディアでも評判が高く、新製品も業界最高クラスなどとうたわれている。その背景には、業界最高クラスのノイズキャンセリング性能はもちろん、音楽体験を自動で最適化するスマート機能も挙げられる。本製品にAIを導入したのは、ユーザーの音楽体験を追求するための手段に過ぎないと考えられる。

「いつでもどこでも最高な状態で音楽に浸ってほしい」

次に、「AIを導入したことによる『WH-1000XM4』における最大の強みは何か?」聞くと、以下のように述べる。

ソニー広報

「最大の強みは、ユーザーに最適化された音楽体験をお届けできることです。『WH-1000XM4』は音楽ファンに『いつでもどこでも最高な状態で音楽に浸っていただければ』との思いで、導入しました。なお、以下がAI技術を用いた機能です。

『DSEE Extreme』では、再生中の楽曲のタイプをAIが自動で判別する技術により、楽曲本来の高音域の周波数スペクトルを、従来よりも忠実かつ最適に復元し、CD音源、MP3などの圧縮音源、音楽や動画などのストリーミングサービスを、よりクリアで躍動感あるハイレゾ相当の高解像度音源にアップスケーリングしてお楽しみいただけます。

『スピーク・トゥ・チャット』では、ユーザーが発した声をヘッドホンが自動で認識し、音楽を一時停止すると同時に、ノイズキャンセリング機能から外音取り込み機能に切り替えます。ヘッドホン本体に内蔵された5つのマイクを最適に制御し、高度な音声信号処理をする『高精度ボイスピックアップテクノロジー』で、ユーザーの声を正確かつクリアに収音します。さらに、機械学習した発声検出アルゴリズムで、ユーザーの声を周囲の音と区別して認識します。

『アダプティブサウンドコントロール』では、新たにAIが自宅や職場、カフェなど、ユーザーが頻繁に訪れる場所を認識します。『Sony | Headphones Connect』上から認識された場所ごとにお好みのノイズキャンセリング機能や周囲の音の取り込み方、イコライザーを設定すると、訪れた場所に合わせて自動で最適な設定に切り替わります」

新製品は、再生中の楽曲のタイプを自動で判別する「DSEE Extreme」、ユーザーが頻繁に訪れる場所を認識する「アダプティブサウンドコントロール」などを搭載した。AIを積極的に活用することで、ソニーは「WH-1000XM4」を「いつでもどこでも最高な状態で音楽に浸れる」製品に近づけたと言えるだろう。

「近年の商品では『Xperia Ear Duo』でAIを導入した」

最後に、「過去にオーディオ端末に、AIを採用した製品にはどのようなものがあるのか?」と聞くと、以下のように回答している。

ソニー広報

「近年の商品では、2018年にスマートプロダクトとして発売した『Xperia Ear Duo XEA20(生産完了しております)』にて、ボイスアシスタントAssistant for Xperiaのなかで、AI技術を活用しておりました」

2018年に発売したワイヤレスステレオヘッドセット「Xperia Ear Duo XEA20」は、ソニーモバイル独自開発のボイスアシスタント「Assistant for Xperia」を採用している。「Assistant for Xperia」は、音声やヘッドジェスチャーといったハンズフリーのみで、通話の発着信やLINEメッセージの送受信など、さまざまな操作ができる機能だ。

オーディオ端末に対するAI導入は決して初めてのことではなく、「Xperia Ear Duo XEA20」など過去にも前例があったことがわかる。今後も技術の進歩とともにオーディオ端末へのAI導入は増加していくものと思われる。引き続き、動向に注目したい。

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リアルタイムでノイズキャンセリング処理に適応

そのほか、新製品はヘッドホンの内外に配置した2つのセンサーで効率的にノイズを集音する「デュアルノイズセンサーテクノロジー」と、ソニーが独自開発した「高音質ノイズキャンセリングプロセッサー QN1」を引き続き搭載した。

高性能に進化したBluetoothオーディオSoCと「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」との新たな連係により、ノイズキャンセリング性能のアルゴリズムを進化させた。音楽信号と騒音信号、ドライバーと耳の間の音響特性を毎秒700回以上センシングし、リアルタイムでノイズキャンセリング処理に適応する。

同製品の詳細は以下をチェックしてほしい。

引用先はこちら:ソニー、人工知能でハイレゾ相当にできるヘッドホン AIは手段に過ぎない?

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