#アナタノミカタ 

Flipboardが米国の全ユーザーに広告付きビデオサービスを提供開始
AI.

ニュースアプリのFlipboardが、ビデオサービスのFlipboard TVを拡大する。同社が選んで集めたビデオを提供するサービスは、2020年2月にまずサムスンのデバイス限定で公開され(Flipboardサイト)、米国時間8月27日から米国内のFlipboardユーザー全員に広がった。グローバルのパブリッシャーや各地のニュースパブリッシャーに加え、厳選された独立系ビデオプロデューサーなど、多くのパブリッシャーが制作したビデオを見られるようになっている。

サムスンのGalaxyデバイスのオーナーに限り、広告なしのFlipboard TVプレミアム版を引き続き利用できる。その他のユーザーには広告付きのサービスが提供される。

今回の拡大に合わせて、Flipboardはアプリにビデオフィードを提供するメディアパートナーも多数揃えた。パートナーには、Complex Networks、Minute Media、A360 Media、Group Nine Media、The Recount、Bonnier Corp、Refinery29、Dow Jones、Hearst Magazines、Gannett、Vice Media Group、Penske Media Corporationのほか、Rolling StoneやVarietyなどのブランドも名を連ねる。Flipboardによれば、VideoElephantとの新たな提携により、EuronewsやTribune Publishing、ほかにも数十のメディアも利用できるようになるという。

画像クレジット:Flipboard

さらにFlipboardは、映像制作者のGene Nagata(別名Potato Jet)やビデオジャーナリストのJohnny Harrisなど、独立系パブリッシャーのビデオも初めて提供する。これはインフルエンサーエージェンシーのSpacestation IntegrationsとFlipboardの提携によるものだ。独立系パブリッシャーはほかにGary Vaynerchuk、AudPopの制作者、「What If」や「How To Survive」などのビデオシリーズのプロデューサーであるUnderknownなどが取り上げられている。

従来型のニュースパブリッシャー以外に拡大したものの、Flipboardは品質を重視して慎重にビデオのラインナップを選択しているという。

Flipboardのグローバル成長&ビジネス開発担当バイスプレジデントであるClaus Enevoldsen(クラウス・エネボルドセン)氏は「誰でも参加できるわけではない。我々はエコシステム全体に細心の注意を払い、我々がフェイクニュースではないと確認できるものだけが『For You』に表示されるようにしている。信頼できるソースを提供しているということだ。我々は常にそうしてきたし、ビデオのジャンルを拡大するにあたってもそのことは変わらない」と説明する。

画像クレジット:Flipboard

新しいビデオフィードは、Flipboardのコンテンツガイドにある専用の「ビデオ」タブに表示される。Flipboardによれば、ビデオを発見する機能や統合が改善されたため、ユーザーはアプリ内でこれまでよりも簡単にビデオを見つけられるようになるという。さらにコンテンツガイドにはトップレベルの20のトピックとして、旅行、政治、ローカル、ライフスタイル、スポーツ、ニュースなどと並んでビデオ専用のフィードがある。エディトリアルとアルゴリズムによってコンテンツが選ばれる「For You」タブでもビデオが目立つように表示される。

ユーザーは、自分のマガジンにビデオ専用フィードを追加することができる。

今回初めて、ビデオがFlipboard内でネイティブに再生されるようになった。これにより、関連のあるビデオをユーザーに示すFlipboardのレコメンデーションエンジンが強化されると同社は説明する。また、次のビデオへスキップするといったビデオコントロールを使うこともできるようになった。

画像クレジット:Flipboard

ビデオへの取り組みは、2020年初頭にFlipboardが始めたローカルニュースの拡張(未訳記事)とも結びついている。6月時点で(未訳記事)Flipboardでローカルニュースが提供されているのは米国とカナダの50都市で、現在では61都市になっている。Flipboardユーザーは好みのローカルニュース提供元のビデオコンテンツもFlipboard内で直接フォローできる。

このため、ニュースパブリッシャーのアプリやウェブサイトを見にいくよりもすっきりとしたエクスペリエンスになる。ただし、Flipboardはニュースパートナーのビデオが再生された際の広告から生じる収益の分配については明らかにしていない。

Flipboardによれば、広告はコンテンツの再生前と再生中に表示されるという。Flipboardのプラットフォーム上でコンテンツの再生前に広告が表示されるのは初めてだ。こうした広告によって、ブランドを傷つけない高品質のデジタルビデオエクスペリエンスをモバイルで実現したいというパブリッシャーからの要求が解決されると、Flipboardは考えている。

サービス開始時点で、Flipboardはビデオ向けの広告インベントリを販売している。しかし同社は、これは将来的にパブリッシャーが自身の広告インベントリを販売できるようにするためだと述べている(パブリッシャーがすでに広告インベントリの販売チームを持っている場合は、それを継続できる)。

パブリッシャーはビデオコンテンツの閲覧を促進するために、Flipboardが最近リリースしたストーリーボード機能(未訳記事)を使うこともできる。ストーリーボードはアルゴリズムによるフィードではなく、目立たせたいコンテンツを集めた固定のコレクションだ。

Flipboardの共同創業者でCEOのMike McCue(マイク・マッキュー)氏は「今回の新機能は我々がおよそ10年かけて築いてきたパブリッシャーのエコシステム、コンテンツ発見に関する基本的な考え方、そして最近のFlipboard TVの取り組みの上に構築されている。新しいネイティブのビデオプレイヤーによって、新しいユーザーエクスペリエンスやパートナーシップ、収益化のチャンスが開かれる。近いうちに、さらに多くのクリエイターや独立系プロデューサーと連携するつもりだ」と語っている。

ビデオの新機能はFlipboardアプリ内で米国のユーザーに対して公開されている。

画像クレジット:Flipboard

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

引用先はこちら:Flipboardが米国の全ユーザーに広告付きビデオサービスを提供開始

#アナタノミカタ