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Surface Laptop Goは確かに軽い、サブ機としてフル活用するなら10万円超の上位モデルか
AI.

エレガントなデザインのままリバースエンジニアリングで低価格化

先週、Surface Laptop Goをバックパックに詰めてハイキングに行った。数日かけて30km以上歩き、森の中の小道を抜けて危なっかしい橋も渡ったが、Laptop Goは間違いなく軽かった。

MacBook Air(2.27kg)も持って行ったのだが実はLaptop Go(1.11kg)のほうが軽い。どちらにせよたいした重さではないと思われるかもしれないが、毎日8時間道なき道を歩き通すとなるとほんのわずかの重さも大きな差となる。

ただし、Laptop Goのスクリーンは屋外で使うにはあまり向いていない。パワーが十分でない低価格デバイスとしてはやむを得ないのだろうが、反射しやすいスクリーンのせいもあって画面輝度を最大にしても屋外では見にくい。もちろん、通常こうしたデバイスは室内で用いられるのでこの点は大きな問題ではないだろう。一方で、Microsoft(マイクロソフト)がこの製品を低価格で提供できた秘密の一部がわかった気がした。

Laptop Goは先行モデルをリバースエンジニアリングして低価格化に成功した典型的なケースだ。これにより同社は、Surfaceシリーズを入門機のゾーンに向けて大きく拡大できた。当初のSurfaceは専用Windowsを使ったデバイスを作る際の標準ハードウェアの役目を果たす高価格モデルだった。しかしその後Surfaceブランドは大きく多様化した。

 

マイクロソフトはSurfaceで長年アップルデバイスを使ってきたクリエイティブなユーザーをターゲットとすると同時に、低価格入門機の分野にも手を広げた。Laptop Goは明らかに後者のカテゴリーの製品だ。GoシリーズはSurfaceの開発にあたって長年利用してきたハードウェアの開発、製造テクノロジーが低価格デバイスにも適用できるかどうかを試す試金石だった。

この試みは理解できるし、同時に称賛すべきものだ。機能と信頼性が高いノートパソコンを入門機の価格で提供することができればメーカーにとってもユーザーにとっても大きなメリットとなる。もちろんここには数多くのハードルがある。例えばまず、価格を下げるには、どの機能を省くべきかを決定しなければならない。すでに多数のメーカーがChrome OSやWindows 10Sをベースにするマシンを市場に出している。

同社がWindows 10SとSurface Laptopを発表したのは数年前で、Chromebookのライバルをそれよりずっと高い価格で販売するというのは少し奇妙な戦略だった。しかし数年かかったものの、適切な価格でSurfaceノートを発売した。ここで多年培ってきたエンジニアリングのノウハウに大いに役立てたに違いない。

新しいLaptop Goは低価格だが外観がスマートなノートだ。他のSurfaceファミリーに混じっても見劣りがしない。筐体のトップとキーボード表面はアルミ製でポリカーボネート素材と組み合わされている。ただこの部分はいかにもプラスチックな手触りだ。キータッチは私の好みからするとややソフトでぐにゃっとした感触だが、慣れればさほど気にならない。ほとんどのケースに問題なく対応できるだろう。

ポートについては好みが分かれるかもしれない。筐体左側にはUSB-AとUSB-Cが1つずつある。既存のデバイスにも将来のデバイスにも対応しようという戦略だろう。しかしUSB-Cポートを複数装備するほうが適切だったのではないか。筐体右側にはSurfaceドック・コネクターが1つあるだけだ。同社が既存デバイスへの後方互換性を配慮したことは間違いないが、それを犠牲にしてもバッテリー充電をUSB経由にすべきだったように思う。

内部は評価が分かれる。Intel(インテル)の第10世代Core i5が標準搭載されており、8万4480円(Microsoftストア価格)で入門レベルのノートにしては強力なCPUだ。しかしベースモデルはメモリーが4GB、SSDが64GBなので多くのユーザーが8GB、256GBのバージョンを選ぶだろう。

 

ここでレビューしている個体も8GB、256GBモデルで、このスペックなら十分使える。しかし、ストレージを256GBにアップグレードすると12万6280円(Microsoftストア価格)となり、「驚くほど安い」カテゴリーには収まらなくなる。256GBモデルなら指紋認証センサー付き電源ボタンも搭載される。不思議なのはキーボードの周囲にしかバックライトがない点だ。キーボード自体が光らないのは奇異な印象を与える。なお、ベーシックモデルの本体色はプラチナのみで、それ以外のモデルではサンドストーンとアイスブルーを選べる。

Laptop GoのOSは標準搭載OSはWindows 10Sだ。このマシンが登場したときのレビューで、私は「大半のユーザーは購入と同時にOSをWindows 10Sから普通のWindows 10に切り替えるほうがいい」(未訳記事)と勧めておいた。そうした点を別にすれば、Laptop Goは低価格機市場への参入の最初の試みとして十分な成果だ。軽量だし外観もスマートで機能も十分なレベルのデバイスに仕上がっていると思う。特にサブ機として好適だ。しかしこうしたマシンを今すぐ必要としているのでないなら、次のバージョンを待つのもいい考えかもしれない。

画像:Brian Heater

カテゴリー:ハードウェア
タグ:マイクロソフト、Surface

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

引用先はこちら:Surface Laptop Goは確かに軽い、サブ機としてフル活用するなら10万円超の上位モデルか

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