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コロナ禍で大活躍、空間内の人々を匿名で正確に追跡するDensityのOpen Areaレーダー
AI.

世界中の誰もが今、共有スペースに対する考えを再考していることだろう。日々、毎分、どのようにして空間が使用されているかを理解することが重要だ。Density(デンシティー)が開発した天井に取り付けられる小さなレーダーは、目立たないように、しかし非常に正確に人を見つけて追跡し、すべてのテーブル、椅子にいたるまで、オフィス全体を監視するデバイスだ。

そう言うと聞こえが悪いが、心配は無用。詳細は後ほど説明する。

Densityは、赤外線画像を使って人の出入りを追跡する通路監視装置「Entry」に潜在する可能性を見出し、大規模に人々を監視する技術の開発を検討し始めた。同社は1か所から数百平方フィートをカバーする精度を持ちつつも、簡単に誰かを識別するための機能を欠いたレーダーを起用することに落ち着いた。

一般的な防犯カメラに人を監視するソフトをインストールすることに対して警戒心を持っている人が多いため、この部分こそが重要なポイントなのである。画像は個人情報と容易に照合できるため悪用される可能性が高い。そのため、通常のカメラの上にコンピュータービジョンを重ねる方が安く済むかもしれないが、その方法だとどうしてもリスクと欠点が残ってしまう。

画像クレジット:Density

無論、デスクやコンピューターを監視し、機密文書や些細な行動を読み取れる監視カメラを好む人間はほとんどいないだろう。Densityが開発したシステムは、あの椅子に誰か座っているか、あのオフィスに人はいるのか、この部屋には何人いるのか、など「存在」に強い重点を置いている。

レーダーはポイントクラウドを生成するが、自動運転車のライダーシステムで見られるような詳細なものではない。人はオフィスキッチンの冷蔵庫の近くに存在する小さく、直立した雲のようなものとして描かれる。他の誰かがオフィスキッチンにコーヒーを飲みに来たときには、別の雲として追跡される。しかし、人を区別したり、サイズや衣類を見分けたりするのに十分な機能は設けられていない。

画像クレジット:Density

もちろん、雲を追跡して彼らの机に戻り遡って誰かを特定することも可能だが、今時人を追跡するための方法は他にいくらでもある。このレーダーには、もっと別の使い道があるのだ。

ここから得られるデータは実際に明確な価値がある。カフェでは座席の稼働率を確認したり、異なるレイアウトのABテストをしたり、ジムではどのマシンが一番頻繁に使われていて、メンテナンスや清掃が必要なのはどれかを確認したりできる。オフィスでは不人気の会議室や家具を再利用することや小売店では買い物客が寄り付かない棚を見つけたりすることが可能だ。また、デバイスに付属のソフトウェアを使用すると、人と人との距離や、様々な場所にどれくらいの時間滞在する傾向があるか、特定の通路が他の通路よりも多く使用されているかどうかなどを知ることができる。

Densityソフトウェアの動作中のスクリーンショット

データはリアルタイムで集計されるため、シェアオフィススペースではどのデスクが朝からずっと空いているかや、どのデスクが今空いているのかなどを、尋ねたり再確認したりすることなく簡単に知ることが可能だ。レストランでの使用も同様に、空きテーブル数を数えてもたつく事態を防ぐことができる(お気づきの通り、こういったアプリは主にパンデミック時以外を想定したものだが、今がデバイスをインストールする絶好のチャンスかもしれない)。

リアルタイムクラウドにレイアウト画像を追加すると、突然現実味を帯びてくる。

画像クレジット:Density

サンドイッチサイズのOpen Areaセンサーは、地上20フィート(約6メートル)の距離から1325平方フィート(約123方メートル)をカバーすることが可能。これは直径約38~40フィート(約11.5~12メートル)の円に相当し、この中には会議室数部屋か約20台の机を収めることができる。頭上式の光学カメラにも劣らず、さらにプライバシー面でも利点があるわけだ。

実際のオフィスでどう見えるか興味がある方は、以下の画像を見て写真の中から是非デバイスを見つけ出して欲しい。写真は難易度の低いものから並べている。

ただし、最初は価格の高さに驚くかもしれない。Open Areaセンサーの価格は399ドル(約4万2000円)。さらに1デバイスにつき年間199ドル(約2万1000円)のライセンス料がかかる。そのためそこそこのサイズのオフィスに装備を施した場合、軽く5桁の金額になってしまうだろう。もちろん、それだけの広さのスペースを運営している人ならばスペースの使用状況の調査(実際に人がそこに座って、誰が何を使っているのかを監視する)や、バッジベースエントリーのようなその他の便利な機器のコストの高さをご存知のはずだろう。

「当社は桁違いの安さと格段の利便性を実現しました」とCEOのAndrew Farah(アンドリュー・ファラー)氏は言う。

Densityはすでにいくつかの大手企業を顧客として持っている。オフィスや小売業の世界全体は現在混乱状態に陥っているものの、このようなツールが次の次元へと導いてくれることだろう。スペースの使い方をしっかり把握すると言うことは、コストの節約になるだけでなく、安全性を高め、そこにいる人々を幸せにすることにもつながるのだ。

関連記事:Thanks to COVID-19, everybody wants Density’s technology tracking building occupancy and use(未訳記事)
カテゴリー:ハードウェア
タグ:Density レーダー 新型コロナウイルス
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(翻訳:Dragonfly)

引用先はこちら:コロナ禍で大活躍、空間内の人々を匿名で正確に追跡するDensityのOpen Areaレーダー

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