英国企業が開発した自動運転向けAIシステム、高解像度の深度データを生成へ
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ケンブリッジコンサルタンツは7月16日、一台数千円ほどのセンサーとカメラの低解像データをAIと組み合わせることで、高解像度の深度データを生成する「エンフューズネット(EnfuseNet)」を開発したことを発表した。
エンフューズネットは、標準的なRGBカメラと低解像度の深度センサーからデータを抽出し、ニューラルネットワークを活用して、元データよりも高い解像度で深度(距離)を予測するシステムだ。
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AI自動運転システムの低価格化を実現 自動運転車の一般化へ
自律走行システムでは、意思決定をする正確で詳細な深度ポイントクラウド(車両周辺の3次元表示)を作成することが重要となる。現在の自動運転では、LiDARまたはレーダーと組み合わせた2次元カメラの情報を使用し深度データを解像する方法で実施している。しかし、回転式LIiDARデバイスは数十万円するため、高級車への展開以外は難しい状態だ。また、レーダーは低価格だが、高解像度の画像構築には十分な深度情報を提供できないという課題もある。
エンフューズネットが活用されるようになれば、現在の主流である一台数十万円のLiDARを用いた高級車向け自律走行システムを大衆車まで拡大できる可能性がでてくる。
高解像度技術で開発のコストと時間を約70%削減
エンフューズネットのシステムは、深度情報が画像のピクセル単位となり、画像内すべての対象物の深度データと信頼性を予測できる。個々のピクセルレベルで高品質の深度ポイントクラウドを作成できるため、システムの説明可能性や追跡可能性は向上していく。
従来のディープランニングの開発作業では、エンジニアが実際のデータを収集し、ラベルを付け、整理するのに何時間も要するが、エンフューズネットは開発のコストと時間を約70%削減するのに成功している。
現実でのデータ収集が必要なくなることで、これまで自動車メーカーや部品サプライヤーが、ADAS(先進運転支援システム)認知アルゴリズムをトレーニングするために要していた時間やコストを気にすることもなくなる。
エンフューズネットは、アルゴリズム学習のためのデータ集約を約70%減らすことで、自動車メーカーや部品サプライヤーが取り組む自動運転の実現可能性を高めていく。
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水陸両用の自動運転バスに取り組む 埼玉工業大ら
自動運転技術の開発は、企業だけでなく大学でも取り組みが進められている。
埼玉工業大学は2020年7月3日、ITbookテクノロジー株式会社とともに水陸両用バスの自動運転・運航システム構築に関する開発を開始したと発表した。
水陸両用バスの自動運転・運航システムの開発では、埼玉工業大学の自動運転バスにも用いられている「ジョイステックロボカー技術」および自動運転システムのソフトウェアである「Autoware」がベースとなっている。
自動運転ソフトウェアのAutowareを活用することで、AIによる障害物の検知機能を強化し、複数のライダーやカメラの画像情報をディープランニングにより周囲環境としてAIが認識し障害物を回避した走行が可能になる。
今回の実証実験では、離着水、離着桟における「位置推定および自動運転技術」、水上障害物の「検知および回避技術」、ローカル5G等を用いた「遠隔操作技術」を試していくという。
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