スマートロックAkerun開発のフォトシンスが35億円調達、アクセス認証基盤とビル管理入館システムも発表
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フォトシンスは8月4日、都内で記者発表会を開催した。同社はスマートロックの「Akerun」を軸に主にB to B向けにキーレスセキュリティシステムを展開しているスタートアップ企業。同社によると都内でのAkerunの普及率は特に高いとのこと。
全国では66万件を超えるアカウントが登録されており、サービスインからわずか4年で都内ではオフィスワーカーの7.4%がAkerunを使ってドアの開閉を行っているという。ちなみに1日の開閉回数は98万回を超えるとのこと。
そして同社は本日、第三者割当増資とデットファイナンスにより35億円の資金調達を発表した。調達先は、農林中央金庫、NTTドコモベンチャーズ、31 Ventures(三井不動産)、LINE、凸版印刷、BBSPグループ、Scrum Ventures、常陽グループ、グロービス・キャピタル・パートナーズ、日本政策金融公庫、新生銀行、みずほ銀行、常陽銀行。累計調達額は50億円に達する。
さらに、キーレス社会を実現するためのアクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」を新たに発表した。これは、来客者の氏名や会社名、電話番号、メールアドレスなどと、個人が所有する交通系ICカード、オフィスビルのフロアやドアなどの情報を繋ぎ込むことで、専用の入館カードを用意とすることなくビルの入館管理が可能になる。
具体的には、このアクセス認証基盤とオフィスビルのビル入退管理システムを繋ぎ合わせることで、オフィスビルの入居企業が来客者などとメールでアポイントメントを取り付けてビル入退管理システムに入力すると、来客者は受け付けで会社名と個人名を伝えるだけで私物の交通系ICカードなどを使って入館することが可能になる。
事前にQRコードを印刷したり、受け付けで入館カードを受け取り、退社にカードを返却するという手間が不要になるわけだ。利用できるカードは、NFC-F(FeliCa)とNFC-A(Mifare)。NFC-Aは一部のクレジットカードやTaspoなどに使われている。現状NFC-Bには対応していないが、NFC-Bは運転免許証やマイナンバーカード、在留カード、パスポートなど個人情報が集積したカードに使われているため、他社でもスマートロックのキーとして対応していないケースは多い。
Akerun Access Intelligenceを利用したオフィスビルに入退管理システムは、早期から投資家として加わっている三井不動産所有のオフィスビルの一部ですでに試験導入されているとのこと。
今回のサービス拡充に伴い、Akerunのロゴデザインも変更した。同社によると、アクセス認証基盤「Akerun Access Intelligence」を軸としたインテリジェントなサービスとしてのAkerunを想起できるよう、従来のAkerunのサービスロゴをベースに「頭脳」のデザインを追加し、さらにAkerunでさまざまな場所や空間、シーンにアクセスする動的なイメージを青と緑のグラデーションで表現したとのこと。
同社代表取締役社長の河瀬航大氏は、Akerunのシステムは新型コロナウイルス対策にも活用できることも触れた。各自の交通系ICを使って入退室を管理できるため、いまオフィスに何人いるのかを記録、一覧できる。
Akerunはオフィスだけでなく、すでに病院や工場、教育機関などでも使われており、将来的にはAkerun Access Intelligenceをオフィスビルだけでなく、ホテルや自宅、自動車などにも広げていく計画だ。
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