新型コロナの影響で2020年のAIサービス市場 約80億円も縮小
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株式会社グローバルインフォメーションは7月31日、市場調査レポート「人工知能サービスの世界市場 2020-2030年:Covid 19による成長と変化」(The Business Research Company)を発売した。
同調査レポートによると、人工知能(AI)サービスの市場規模は、2019年の8億5000万米ドル(約900億円)から、2020年には7億7700万米ドル(約820億円)に減少。CAGR(年平均成長率)において、マイナス9.46%に縮小すると予想されている。なお、大幅な減少は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響によるものだという。
一方で、新型コロナウイルス感染症の影響は長引かないと見ているのか、その後、AIサービス市場は回復すると予想している。具体的には、2023年にはCAGR36.65%で、19億7000万米ドル(2080億円)に達するとのこと。
アジア太平洋地域は急成長か
地域に目を向けると、市場の最大地域は北米。アジア太平洋地域はもっとも急成長すると予想している。
市場は、技術別には、機械学習、コンピュータビジョン、自然言語処理(NLP)、その他に分類。エンドユーザー別には、銀行・金融・保険(BFSI)、IT・通信、小売、製造、公共部門、エネルギー・公益事業、ヘルスケア、その他に分類される。
なお、クラウドベースのソリューションの採用の増加が、AIサービス市場の成長をけん引する重要な要因になるという。サービスとしてのAIは、企業が高額な初期投資をせずに、さまざまな活動のためにAIを実験することを可能にする。実験をすることで、多くのクラウドコンピューティングプラットフォームで、さまざまな機械学習アルゴリズムを確認でき、データの分析や管理方法の合理化に役立つとしている。
データ侵害やハッキングの危険性が成長を阻害
一方で、データ侵害やハッキングにともなうリスクが、AIサービス市場の成長を阻害しているという。世界経済フォーラム(WEF)でも、モノのインターネット(IoT)やAI、量子コンピューティングなどの新技術は、人間の生活を一変させる可能性があるものの、サイバー攻撃に対して、より脆弱な社会になる危険性があると警告されている。攻撃は平均39秒に1回発生し、1回の侵入で2020年までに1億5000万米ドルものコストがかかるとのこと。
企業や組織はこのようなリスクを認識しているものの、侵害行為はいまだに検知に半年程度かかる。本来のネットワーク侵害からセキュリティ対応までの長い遅延により、ハッカーは大量のデータを入手できているという。2017年から2018年の間に、盗まれた文書全体の数は126%増加している。
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2023年度にはAI主要6市場で640億円という調査も
同様の調査レポートは過去にも発表されている。
2019年12月、アイ・ティ・アールは「ITR Market View:AI市場2019」として、AI主要6市場(画像認識、音声認識、音声合成、言語解析、検索・探索、翻訳)を対象に、国内33ベンダーへの調査に基づいた2017~2018年度売り上げ実績、および2023年度までの売り上げ予測を発表した。
同市場調査レポートでは、AI主要6市場は継続的な伸びが見込まれることから、2018~2023年度のCAGR(年平均成長率)は26.5%、2023年度には640億円に達すると予測されていた。
2020年のAI市場は大打撃だが、影響はさほど長引かない?
2019年12月時点では、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を震うなど予想できなかっただろうが、ほかの多くの業界がそうであるように、AIサービス市場も2020年は大打撃を受けることとなりそうだ。
一方で、両調査では2023年には19億7000万米ドル(2080億円)、2023年度には640億円と、ともに明るい数字が予想されている。AI業界は第三次AIブームの最中にあることもあり、新型コロナウイルス感染症の影響はさほど長引かないと考えられるかもしれない。
引用先はこちら:新型コロナの影響で2020年のAIサービス市場 約80億円も縮小