ニセ物を見破れるAI鑑定士、コメ兵が開発
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>画像はAIを活用した査定のイメージ
株式会社コメ兵(KOMEHYO)は8月18日、本物かニセ物を見極める「真贋(しんがん)判定」に加え、「型番判定(モデル名・型式などの判定)」も可能なAIを開発したと発表。8月25日からKOMEHYO名古屋本店に導入する。今後も順次拡大予定としている。
ニセ物は増加傾向 輸入差止点数が7年ぶりに100万点超える
財務省が3月6日に発表した「令和元年の税関における知的財産侵害物品の差止状況」によると、近年いわゆるニセ物(知的財産侵害物品)の日本への流入は増加傾向にあり、2019年には輸入差止点数が7年ぶりに100万点超えた。
>>財務省「和元年の税関における知的財産侵害物品の差止状況」
また、フリマアプリやオークションサイトが普及し、個人間取引のリユースが一般的になっている現在、知らぬ間に偽物を手にする可能性は排除できない。
実際、KOMEHYOが運営する鑑定機能付きブランド品のフリマアプリ「KANTE(カンテ)」では、真贋判定機能「KOMEHYOカンテイ」サービスを希望した購入品のうち、1割ほどが偽物として出品者に差し戻されるとのこと。
AIがニセ物チェックなどを担当
KOMEHYOの鑑定士は、一定期間の教育を経て、細心の注意が必要な「真贋チェック」から、「商品情報(型番)の特定」「状態チェック」「買取金額算出」「買取金額の説明」といった過程をすべて1人で手がけている。
今後は買取業務のなかでも、とくに顧客との会話が発生しない「真贋チェック」「商品情報の特定」をAIに補助してもらう。スタッフはそのぶん買取を体験する顧客の不安や、疑問を解消するためのコミュニケーションに注力するという。
熟練した鑑定士により教師データをインプット
AIによる真贋を実用化させるためには、まずAIの精度を高めるために膨大な商品データを集めることが必要になる。KOMEHYOは、買い取りなどで年間160万点の商品が、品質チェックや商品化のために商品センターに集まる。
また、自社開催の法人向けオークションに出品された商品など、さまざまな仕入れ先があることから、AI開発に最適な条件を持っていたとする。
精巧なニセ物が出回るなかでも、KOMEHYOには真贋を見極められる熟練した鑑定士がいるという。そのため、AIに真贋を判断させる正確な教師データをインプットできる。具体的には、鑑定士が開発エンジニアと情報共有しながら、AIの教育をフォローする。
今後は店頭の鑑定士がAIを運用することで、AIのレベルがさらに向上し、業務に最適化されていくとのこと。
>>ニュースリリース
中国のコピー品撲滅へ──6,000店舗の質屋へ真贋判定「mekiki AI」導入に向けタッグ
真贋と言えば、中国などの海外でもブランド品のニセ物が出回ることも少なくないと思われる。
世界の二次流通マーケットの活性化を目指す株式会社メキキは2019年6月、中国国内質屋向けSaaS最大手SOUDANGと、中国全土の質屋へ向けた真贋判定AIの提供に向け戦略的パートナーシップを締結した。
SOUDANGは中国全土8,000店舗ある質屋のうち、8割近い約6,000店舗のシェアを持つ。
メキキは、ものばんくとチームAIBODの合弁で2018年に設立した。老舗質屋の持つ鑑定技術や感性と、国内B2Bオークションでの豊富なデータベースを基に鑑定士をサポートする「mekiki AI」を開発している。
AIによるブランド品真贋判定の技術を保有し、鑑定士の目利き力をAI化。モノの価値の適切な査定の実現を目指している。今回の戦略的パートナーシップ協定で、メキキのAI技術は中国側に「即導入に値する」との評価を得たという。
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