NTTデータ、実験結果を予測するAI iPS細胞などの予測で効果も
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画像は従来手法と「LITRON」の差異イメージ
株式会社NTTデータは9月10日、テキストデータから知識を抽出する文書読解AI(人工知能)サービス「LITRON」(リトロン・特許出願中)を開発したと発表。同サービスは、再生医療分野のiPS細胞などを用いた実験結果予測の検証において効果を確認済みで、ヘルスケア業界に限らず、さまざまなビジネスシーンでも活用できる。
「LITRON」は、専門家と対話する形で、文書の読解方法を学習する。学習効率の良い質問をAIが生成する技術により、既存技術に比べて導入のための作業量を削減できる。業界固有の表現や専門用語を従来手法よりも素早く学習できる。
また、同サービスの導入により、ニュース・法律文書・学術論文など、膨大な量の文書から、構造化された知識を自動的に抽出可能になる。構造化された知識を用いて、予測や分類などさまざまな分析をすることも可能だ。
金融・保険業などにおける書類審査の簡素化なども
たとえば、同サービスは「金融・保険業などにおける書類審査の簡素化」「製造・小売業などにおけるマニュアル類の構造化」「マーケティングにおけるSNSなどのWebデータの分析・インサイトの抽出」「メール・日報などの業務報告書からのリスク検知」「採用・人材派遣におけるエントリーシート分析」「法律・会計書類の誤り・不正の検知」「学術論文や特許文書からの情報抽出・体系化」などに利用できる。
現在、NTTデータでは、「LITRON」を用いて再生医療分野の実験結果予測や、薬剤の飲み合わせリスク予測の取り組みを実施している。今後、ヘルスケア業界に限らず、金融・製造業などの幅広い業界に「LITRON」を提供することを目指すという。
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AIが楽曲データを分析、ヒット曲のトレンド予測が可能に NTTデータらが開発
NTTデータは、AIを活用した取り組みに積極的な企業のひとつと言える。
最近でも、NTTデータ、株式会社NTTデータ経営研究所、株式会社阪神コンテンツリンクは9月3日に、2016年12月から2020年5月までにチャートインした2185曲を対象に、楽曲を聞いた際の推定脳活動、音色の特徴、歌詞、コード進行や過去のチャート情報などの楽曲特徴を利用し研究した結果、「楽曲の脳情報化による新たな特徴の獲得」「ヒットソングの特徴の可視化」「未来の音楽トレンド予測」の技術開発に成功したと発表した。
昨今、デジタル技術の発展に伴い、ストリーミングサービスや動画配信サービスなど音楽の楽しみ方が多様化している。阪神コンテンツリンクは、多様化した音楽市場の実態を多角的に捉えた「ストリーミング」「ダウンロード」「CDセールス」など8種類の手法を組み合わせた総合音楽チャート「Billboard JAPAN HOT 100」を構成する多様なデータを保有している。
また、NTTデータグループでは、脳情報通信技術「NeuroAI」の研究・事業開発に取り組み、動画広告の分野では、広告効果の予測が既存の機械学習に優越することを示すなどの成果を上げてきた。
そうしたなかで、NTTデータらは、音楽に対する人間の反応を科学的に把握するために「楽曲チャートデータ」と「脳情報通信技術」を融合させる共同研究開発プロジェクトを2019年9月から実施していた。
NeuroAIを音楽に適用することにより、音楽のジャンルの情報や音声信号処理によらない新たな「楽曲特徴」を定量化した。また、脳情報に含まれる、人間が感じる音楽の潜在的かつ言語化不可能な反応を利用することで、楽曲トレンドを反映したCMタイアップソングの提案や、「今までは聴かなかったようなジャンルから好きになれる楽曲との出会いを提供する」など新たなアプローチによるプレイリストの作成提案などが期待される。
そのほか、同発表が気になる人は以下の記事をチェックしてほしい。
引用先はこちら:NTTデータ、実験結果を予測するAI iPS細胞などの予測で効果も