5G、OLED、トリプルカメラを搭載し約6.5万円の高コスパスマホ「AQUOS zero5G basic」
AI.
シャープはリフレッシュレート240Hzの有機ELディスプレイを搭載したAndroidスマホ「AQUOS zero5G basic」を10月1日にソフトバンクより発売した。本製品には5Gモデムを統合したSoC「Qualcomm Snapdragon 765G 5G mobile platform」が採用されており、端末価格は6万5520円と比較的低価格に抑えられている。
有機EL、5Gという特徴に加えて、超広角、標準、望遠のトリプルカメラを搭載するなど、価格を含めたトータルバランスを重視した端末だ。今回はフラッグシップモデルとどのぐらい処理性能、クオリティー、ユーザー体験に差があるのかという視点から評価したい。
SoCはミドルクラス、トリプルカメラを搭載するも手ブレ補正は電子式
AQUOS zero5G basicはOSにAndroid 10、SoCに前述のとおりQualcomm Snapdragon 765G 5G mobile platform(8コア、2.3GHz+1.8GHz)を採用。メモリーは6GB、ストレージは64GBを搭載している。
ストレージ容量を物足りなく感じるかもしれないが、最大1TBのmicroSD/SDHC/SDXCメモリーカードを装着可能だ。写真、動画をメモリーカードに保存し、使わないアプリを定期的にアンインストールすれば、ストレージ容量に困ることはないだろう。
ディスプレイはリフレッシュレート240Hzの約6.4インチ フルHD+(2340×1080ドット)有機ELディスプレイを搭載。HDR10、HLG、VP9、YouTube HDRなどのHDRコンテンツの再生に対応している。なお生体認証システムとして、ディスプレイ内蔵型指紋認証センサーを採用。またIR(赤外線)カメラではないが、顔認証も利用可能だ。
カメラは、背面の超広角(約1310万画素、F2.4、15mm)、標準(約4800万画素、F1.8、26mm)、望遠(約800万画素、F2.4、79mm)と、前面カメラ(約1630万画素、F2.0)という構成。手ブレ補正はすべてのカメラで光学式ではなく電子式が採用されている。
通信機能は、5G、4G、Wi-Fi 5(IEEE802.11ac)、Bluetooth 5.1に対応。5Gの通信速度は下り1.8Gbps、上り103Mbps、4Gの通信速度は下り722Mbps、上り46Mbpsとされている。
本体サイズは約幅75×高さ161×厚さ9.0mm、重さは約182g。防水はIPX5/IPX8、防塵はIP6Xに対応。4050mAhのバッテリーを内蔵しており、連続通話時間は約2000分、連続待受時間は約480時間と謳われている。
ワンセグ、フルセグには非対応だが、FMラジオの受信は可能で、おサイフケータイにも対応している。
パフォーマンスはフラッグシップモデルの約48%
AQUOS zero5G basicで総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」を実施したところ、総合スコアは295256となった。記事執筆時点のAnTuTu Benchmarkのランキングトップ「ROG Phone 3」の総合スコアが615289なので、AQUOS zero5G basicはその約48%のパフォーマンスということになる。
とはいえAQUOS zero5G basicの総合スコアは、「Snapdragon 845」を搭載していた2018年のフラッグシップスマホと同等。グラフィックを高画質に設定しなければ、現時点でも3Dゲームをまずまず快適にプレイできるパフォーマンスを備えている。
有機ELならではの美麗映像を楽しめるが、NetflixのHDR再生に非対応
輝度や色域、コントラスト比などは公表されていないが、有機ELディスプレイの画質はハイレベル。鮮やかな色彩、締まった黒色で静止画や動画を堪能できる。しかし残念な点がひとつある。NetflixでHDRコンテンツを再生できないのだ。Netflixでは多くのHDRコンテンツが配信されている。ソフトウェアアップデートで改善されることを強く要望したい。
電子式ながら強力に手ブレを補正、夜景モード非搭載は残念
AQUOS zero5G basicは超広角(約1310万画素、F2.4、15mm)、標準(約4800万画素、F1.8、26mm)、望遠(約800万画素、F2.4、79mm)、イン(約1630万画素、F2.0)カメラを搭載している。全カメラの手ブレ補正機構が電子式だったので手ブレが心配だったが、実際に撮影してみるとデジタルズーム24倍で撮影した写真や、夜間に標準カメラで撮影した写真もほとんどぶれていなかった。電子式ながらかなり強力に手ブレを補正してくれるようだ。
ただし、光学式手ブレ補正機構を搭載したスマホと比べると、デジタルズーム10倍以上で撮影する際にプレビュー画面が揺れてフレーミングしづらかった。高倍率で撮影する際には手すりなどに手首を乗せて撮影することをオススメする。
本製品には夜景モードは搭載されていないが、外灯がひとつしかない公園の暗がりでも、かなり明るく撮影できた。ただし、ノイズは多めで、白飛びも目立つ。シャープ製フラッグシップ端末にも夜景モードは搭載されていないが、全シリーズで夜間撮影機能が強化されることを期待したい。
手ごろな価格を実現した高コスパモデル
AQUOS zero5G basicはミドルクラスのSoCや光学式手ブレ補正機構を省いたカメラを採用することで、ユーザー体験に大きな影響を与えずに6万5520円という比較的手頃な価格を実現している。コスパに優れた5G対応スマホとして魅力的な1台だ。
なお、本製品には兄弟モデルとして、auから発売された「AQUOS zero5G basic DX」が存在する。こちらはメモリーが8GB、ストレージが128GBとスペックに余裕があるが、そのぶん価格は8万1315円とソフトバンク版より1万5795円高い。販売するキャリアが異なるので比較対象とはならないかもしれないが、もしどちらを購入するか悩んでいるならこの点を踏まえて最適な1台を選んでほしい。
引用先はこちら:5G、OLED、トリプルカメラを搭載し約6.5万円の高コスパスマホ「AQUOS zero5G basic」