「アップル税」に抵抗、米主要ニュース配信元がアプリの公平性を求める団体CAFに加入
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米国の主要なニュースパブリッシャーの一団が、アプリストアの規制を強化し、すべての開発者を公平に扱うよう圧力をかける(未訳記事)権利擁護団体Coalition for App Fairness(CAF)に加盟した。現在、CAFに加盟しているパブリッシャー事業者団体は、APを代表するDigital Content Next (DCN)、The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)、NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)、ESPN、Vox(ボックス)、The Washington Post(ワシントン・ポスト)、Meredith(メレディス)、Bloomberg(ブルームバーグ)、NBCU、The Financial Times(ファイナンシャル・タイムズ)他多数(DCNサイト)。同事業者団体は、CAFに加盟した50番目の、そして米国のニュースとメディア事業者の代表としては初のメンバーとなった。
この他に、CAFにすでに加盟しているメディア団体には、European Publishers Council(ヨーロピアン・パブリッシャーズ・カウンシル)、News Media Europe(ニュー・メディア・ヨーロッパ)、GESTE(ジェスト)、Schibsted(シブステッド)、さらにはCAFの創設メンバーであるBasecamp(ベースキャンプ)、Blix(ブリックス)、Blockchain.com(ブロックチェーン・コム)、Deezer(ディーザー)、Epic Games(エピック・ゲームズ)、Match Group(マッチ・グループ)、Prepear(プリペア)、Protonmail(プロトンメール)、Skydemon(スカイデーモン)、Spotify(スポティファイ)、Tile(タイル)があり、小さな開発業者の加盟数も増えている。
DCNのメンバーは、米国のオンライン人口だけに限っても、合計2億2300万件のユニーク訪問者にリーチしていると同団体はいう。サブスクリプションを基本とするモデルでコンテンツへのアクセス権を提供している加盟パブリッシャーは、Apple(アップル)は仲介業者として「深刻な影響」を及ぼしていると声明で訴えている。同団体の主張は、サブスクリプションなどのサービスには、アプリ内課金を使うようアップルがパブリッシャーに強制しているというものだ。その結果、一部のパブリッシャーは、いわゆる「Apple Tax」(アップル税)と呼ばれる販売手数料を賄うために、価格を上げざるを得ないという。
「DCNはCAFに加盟し、公平で競争が可能なデジタル風景の確立に協力できることをうれしく思います」と、DCNのCEOであるJason Kint(ジェイソン・キント)氏は声明の中で述べている。「DCNのプレミアムメンバーであるパブリッシャーは、消費者との信頼性の高い直接的な関係を享受しています。ニュースを見たり、大好きな娯楽を楽しむ権利が、仲介業者の恣意的な手数料やルールによって制限されることは、消費者が望むところではありません」。
2020年の米国議会公聴会で、アップルがAppStoreのルールをAmazon(アマゾン)との特別な申し合わせに従い変更していたことが明らかにされたときから、DCNはアップルのビジネス手法への抗議をすでに表明(DCNブログ)してきた。
米下院司法委員会は調査を行い、iOSとApple TV用のPrime Videoアプリに関するアップルとアマゾンとの交渉内容(未訳記事)を突き止めた。2017年にApple TV用Prime Videoアプリが公開される前、2016年11月の電子メールから判明したのは、アップルの支払い方法を使って同アプリを登録した消費者に限り、売上げの15%のみを徴収するという取り決めにアップルが合意したということだ。その当時、アプリの販売手数料は30%だった。サブスクリプション型のアプリの販売手数料は、その2年後に15%に引き下げられたが、アマゾンは初日からこの割り引きが適用されていた。
アップルはさらに、Prime Videoのすべての登録者に対して通常手数料15%の免除に合意し、アップル以外の支払い方法も使えるようにした。
つまり、AppStoreのルールはすべての事業者に公平に適用されるとアップルは公言しておきながら、元来すべてのパブリッシャーが望む条件をアマゾンだけに適用したというわけだ。
さらにDCNは、一部の企業だけが特別な条件でアップルと取引しているという問題もさることながら、アップルの手数料のために、パブリッシャーは、サブスクリプションやイベントでオーディエンスから直接収益を得ることが難しくなっている主張している(DCNブログ)。アップルは、代わりにデジタル広告を薦めてくる。30%の手数料を払わずに済むが、そこはデータやプライバシーの扱いに疑念がつきまとう商慣行の世界だ。それは一方では、アップルが率先して一掃を訴えているものでもある。
下院公聴会の後、キント氏はアップルのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏に書簡を送り、誰もが同じ条件でアップルと取引ができるよう、アマゾンとの合意内容を公開するよう求めた。
2020年11月、アップルは外部からの圧力に屈し(未訳記事)、スモールビジネスを対象とした新しい取り組みを通じて、収益が100万ドル(約1億300万円)未満のすべてのアプリの手数料を15%に引き下げることにした。しかし大手パブリッシャーの場合、その(Statistaレポート)収益(Statistaレポート)がずっと(Digiday記事)大きい(Pew Resarch Centerレポート)ため、この引き下げの対象外となる。
「DCNがCAFに加盟したことは、私たちの戦いにおいて歴史的な出来事になりました。主要パブリッシャーが直面しているAppStoreの問題の本質を見極める彼らの見識は、私たちの声をさらに力強いものにしてくれます」と、CAFの広報担当者Sarah Maxwell(サラ・マックスウェル)氏は声明の中で話している。「公平なアプリストアの方針を提唱し、アップルに説明責任を果たさせ、消費者に選択の自由を与える活動を、彼らとともに進められることを、とても嬉しく感じます」と彼女は付け加えた。
カテゴリー:ネットサービス
タグ:Apple、アプリ、CAF
画像クレジット:TechCrunch
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(翻訳:金井哲夫)
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