モーションリブが力加減を双方向に伝送する遠隔操作システムを開発、汎用力触覚ICチップを利用
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慶應義塾大学発スタートアップのモーションリブは7月17日、汎用力触覚ICチップ「AbcCore」により、市販の協働ロボットを使って力触覚を双方向に伝送する遠隔操作システムを開発したと発表した。
ロボットの遠隔操作による人手作業の代行は、危険作業における作業員の安全確保や、製造・保守作業のリモート化による業務効率改善など、様々な場面での活用が期待されている。また、力加減を伴う作業をロボットの遠隔操作で行う場合、位置や力の力触覚情報をリアルタイムかつ双方向に伝えることが作業効率に影響することが知られている。
モーションリブが開発したシステムでは、市販の協働ロボットで「作業者の力加減を伴う動作」「作業対象のモノの感触」といった力触覚情報を双方向に伝送する遠隔操作システムを構築可能。協働ロボットの力加減を直感的に操作できるため、離れた場所からの安全・柔軟な遠隔作業を行えるようになる。
また、力触覚を有する遠隔操作システムをAbcCoreで構築するには、これまで専用装置の製作が必要だったが、今回のシステムでは市販協働ロボットをそのまま活用できるようになった。短期間かつ容易に、力触覚伝送機能を有する安全な遠隔操作システムを構築可能としている。
モーションリブは、機械による力触覚の制御に必要なリアルハプティクス(Real-Haptics)について、機械への実装に向けた研究開発から、AbcCoreの製造販売までを行う慶應義塾大学発スタートアップ。リアルハプティクスとは、アクチュエーター(サーボモーターなど)の力加減を思うように制御できる、慶應義塾大学が発明した技術。この技術により、力触覚の可視化・分析、遠隔操作、自動化、感触が再現可能。
AbcCoreは、力センサーや特殊なモーターなどを必要とせず、市販モーターを使って力加減や力触覚伝送の制御を実現できる点で技術的優位性を備えるという。モーターにかかる負荷力は推定アルゴリズムにより算出するため、力センサーやトルクセンサーも不要。AbcCoreは、すでに50社以上の企業に先行提供されており、共同研究や実用化が始まっている。
また同社は、共同研究を行うソリューション事業、AbcCoreを提供する「デバイス事業」、技術を提供するライセンス事業の3事業を柱に、顧客の製品企画から量産販売までをサポートできる体制を構築している。
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