SpaceXのStarship SN5がエンジンテストに成功、高度150mの短距離飛行テストに移行
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SpaceX(スペースX)の創設者でCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏によると、同社の宇宙船Starship(スターシップ)の6番目の試験用プロトタイプを使った極めて重要なRaptor(ラプター)エンジンの地上燃焼試験が見事に成功した。SN5と呼ばれるこのプロトタイプは今後高度150mの短距離飛行テストに移行する。SpaceXの開発計画を通じて製造された試験用宇宙船の中で、最も遠くまで飛行するものとなる。
SpaceXは、最初の実証試験用の小型版Starshipを製造したのに続き、去年からStarshipの試験用プロトタイプの製造とテストを繰り返してきた。プロトタイプはSNという名称で表され、その後に製造順に番号が付く。この小型版は実際にはStarshipの基礎部分だけで、短距離飛行と着陸の実証試験を行うためのRaptorエンジンが1基だけ搭載されていた。
以来SpaceXは、数々の飛行テストのための実物大の実証試験用プロトタイプを複数製造してきたが、当初はすぐにでも高高度飛行テストを行う予定だった。これまでのプロトタイプはMK1とMK2として知られている。MK1は、タンクの加圧テストの最中に爆発。MK2は、同社がMK3(SN2)にフォーカスを移したことで破棄された。なおMK2はSN1と改名され、ここから新しい命名規則が始まっている。開発されたプロトタイプは製造と試験が急がれたのだが、SN3とSN4はテスト中に壊滅的な失敗に見舞われた。
だがSpaceXは、ここまでにSN5のエンジン燃焼テストを成功させ、実物大試験機による低高度の「ホップ」飛試験に進めるようになった。
最終的にSpaceXは、Falcon 9(ファルコン9)やFalcon Heavy(ファルコン・ヘビー)を含む同社のすべてのロケットをStarshipに置き換える計画で、将来の火星の有人基地建設建設にはStarshipにSuper Heavy(スーパー・ヘビー)ブースターを装着して対応させることにしている。
その壮大なゴールに到達するまでには、まだまだ多くのテストを繰り返して改善を重ねる必要があるのは明らかだが、マスク氏とSpaceXは一般大衆の目に見えるかたちで大急ぎでテストと改良を繰り返すことに力を入れているようだ。
宇宙船開発は十分にテストを重ねるのが定番となっているが、それをオープンに行うということ、そして実際の飛行テストに使用する宇宙船の製造を急ぎ、その結果を新しい(そして改善が期待される)バージョンの製造に生かすという考え方は斬新だ。
画像クレジット:Darrell Etherington
(翻訳:金井哲夫)
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