製造業でのAI活用事例5選 「在庫保有コストを大幅に削減」ほか
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AI専門メディアLedge.aiを運営する我々レッジでは、メディアやイベント運営、そしてAIコンサルティング事業を通して、AIの導入検討している企業の担当者から「AIで何ができるのか分からない。どうやって勉強すればいいのか?」「◯◯業界でのAI事例はどういったものがありますか?」「良いベンダー知りませんか?」といった質問を何度も受けてきました。企業がAIを自社のビジネスに導入する際、必ずと言っていいほど、先行する他社の事例から探し始めるケースが多いからです。
そこでレッジは、AI活用事例をまとめたプラットフォーム「e.g.」をリリースしました。e.g.は、国内外のAI活用事例を網羅的に集め、分かりやすく解説した検索プラットフォームです。ユーザーは事例を無料で検索・閲覧・保存することができ、事例掲載企業への問い合わせもe.g.上で可能なサービスです。
本稿では、e.g.に掲載しているAI活用事例から「製造業での活用事例」を5つ紹介します。
最先端アルゴリズムを開発し欠損値を多く含む製造データでも品質低下などの要因を解析可能に
実施企業:
株式会社東芝
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所
目的:
工場・プラントなど製造現場の生産性・歩留・信頼性の向上
概要:
株式会社東芝と大学共同利用機関法人情報・システム研究機構統計数理研究所は、最先端の機械学習アルゴリズムを共同開発し、これまで活用の難しかった欠損値を多く含む製造データでも高速・高精度な要因解析を可能にした
効果:
欠損率が高いデータでも高精度に回帰モデルを構築可能に
計算時間を短縮、推定誤差を約41%削減
課題・背景:
工場などの製造現場では、製造物の品質値や加工条件、設備の温度や圧力、設備稼働などに関するデータが日々大量に蓄積されており、これらのデータは品質や歩留が悪化する要因を特定する回帰モデルを構築に役立つ。しかし、実際に収集されるデータには測定ミスや通信エラーによる欠損が多く、さらに抜き取り検査による品質確認が多いため、1割程度しかデータを収集できない場合もある。そのため、予め欠損値を計算・補完してから解析するのが一般的であるが、欠損値が多いと膨大な計算が必要となり、要因解析の高速化・高精度化は困難であった。
組み立て工程の組み付け部品に対する検査業務の自動化
実施企業:
株式会社グリッド
目的:
組み立て工程の組み付け部品に対する検査業務の自動化
概要:
製造業の某社は組み立て工程の組み付け部品の目視検査を、株式会社グリッドのReNomを活用して、画像認識AIモデルで検査業務を自動化
効果:
業務の削減、人員の削減
課題・背景:
現在、目視検査員によって行われている検査工程であり、今後、人手不足が予想されるため、AIを用いた自動検査システムの構築が求められていた。
組み立て工程の組み付け部品に対する検査業務の自動化
実施企業:
C3.ai, Inc.
目的:
在庫数の最適化によるコスト削減
概要:
北米の大手製造メーカーは、C3.ai, Inc.のAIを導入し、在庫数を最適化することで在庫の抱え込みコストを大幅に削減
効果:
在庫保有コストの28~52%を削減、年間の経済的価値は1~2億ドル
課題・背景:
40億ドルに相当する莫大な量の在庫を保有しており、この在庫を最適化すればコストを大幅に抑えられると考えていた。しかし、それまでに試した他社のアプリケーションでは、個々の部品を大々的に最適化することができなかった。
ウイルス除去フィルターの製造工程にAIを導入して品質安定化のための因子特定に貢献
実施企業:
株式会社スカイディスク
目的:
生産条件と製品品質の因果関係解明と故障予知
概要:
旭化成メディカル株式会社は、株式会社スカイディスクのAIをフィルター工場に導入し生産条件と製品品質の因果関係の解明を目指す
効果:
生産品質の因子特定
課題・背景:
バイオ医薬品からウイルスをろ過するフィルターの製造において、穴の大きさが不均一でばらつきが大きいと製品として成り立たないという問題があった。生産条件製品因子の最適化や、製造条件と品質との因果関係について技術者たちは探索していた。しかし、無数の生産条件からの経験則による各々の寄与率への定量化が難しく、手探り状態だった。 生産条件(インプット)に対する製品(アウトプット)のデータを保有していたため、因果関係を紐解きたいと考えていた。
名称照合モジュールを利用し輸出管理における照合ミスを削減
実施企業:
ベイシステクノロジー株式会社
目的:
輸出管理システムの照合機能強化
概要:
株式会社東芝は、ベイシステクノロジー株式会社の名称照合モジュールを導入して公表リストと取引先リストとの照合エラーを削減した
効果:
目視による見落としが減少、照合作業効率が向上
課題・背景:
武器に転用可能な技術や製品がテロリスト等の手に渡らぬよう、取引を制限または注意を要する組織や個人の情報が公開されている。輸出企業はこの公表リストと取引先リストを照合する。しかしながら人手による目視チェックに頼ることが多く、公表リストの情報量増大で照合漏れや誤照合が課題となっていた。従来の部分一致検索やパターンマッチ検索では限界があり、取引が制限される企業団体等を確実に把握するため輸出管理システムの改善が急務であった。
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引用先はこちら:製造業でのAI活用事例5選 「在庫保有コストを大幅に削減」ほか