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インフルエンサープラットフォームのBitStarがシリーズDラウンドで10億円を調達
AI.

YouTuberをはじめとしたクリエイターのプロダクション事業、コンテンツ制作事業、インフルエンサーマーケティング事業を提供するBitStarは8月17日、第三者割当増資と金融機関からの融資により、シリーズDラウンドで総額10億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

プロダクション、コンテンツ、広告の3領域統合とテクノロジーが武器

BitStarは2014年7月の設立。当初はデータを活用したインフルエンサーマーケティングを核とした広告領域から事業を始め、2017年秋以降、プロダクション領域やコンテンツ制作領域にも事業を展開している。

今年4月にリブランディングを行い、プロダクション事業、コンテンツ制作事業に、より注力するようになったというBitStar。代表取締役社長CEOの渡邉拓氏は「プロダクションからは実在スターを創出し、コンテンツ領域からはIP(知財)を生み出す。その結果、それらをマネタイズする広告領域へも価値が返ってくることを期待している」と話す。

2年前の資金調達時の取材で渡邉氏は、UUUMやCandeeといった他のインフルエンサーマーケティングのプラットフォーム事業との比較で「それぞれプロダクションやコンテンツなどの得意分野がある中で、我々は広告・プロダクション・コンテンツ制作の3領域を垂直統合し、一気通貫で対応できる点が強み」と語っていた。

今回の取材でも「その強みは変わらない」と渡邉氏は述べ、「垂直統合とテクノロジーを中心にビジネスを大きくしている」と話している。

テクノロジーについては、スターあるいはIPを生み出すまでの「発掘」「育成」「マネタイズ」の一連のプロセスをデータを用いて仕組み化。「この仕組み、プロダクトは、ある意味エンタメ業界のDXのような形で、我々の事業と組織をスケールしていく上での成長エンジンとなっている。路上スカウトではなく、定量的にデータで旬なクリエイターを発掘するツールや、データを分析して自動でアウトプットする育成のシステムもある。マネタイズでも、従来なら有名人を感覚的にキャスティングしていたところを、定量的に分かるデータベースを提供している」(渡邉氏)

所属クリエイター80名、マーケ事業のクライアントは800社以上に

3年前からスタートしたクリエイタープロダクション事業「BitStar」(旧E-DGE)の現在の所属クリエイターは80名、総ファン数は3000万人を超えているという。プロダクションビジネスではGoogleアドセンスが収益源となるため、KPIには月間再生数を採用しているが、昨年比で200%に成長したと渡邉氏は説明する。

所属するクリエイターのジャンルは幅広く、ゲーム実況や“詐欺メイク”などの美容系、テレビでも活躍する大食いタレントなど、多種多様だ。芸能プロダクションとの連携により、アーティストやアイドル、モデルなども含まれる。YouTuberだけでなく、育成枠ではTikTokerなど、さまざまなプラットフォームのクリエイターが参加しているそうだ。

クリエイターのサポートについては、「画一的なサービスを一律で提供するというよりは“機能組織”をつくり、イベントならイベント運営、テレビ出演ならテレビのキャスティングに強い人といった具合で、それぞれの領域のスペシャリストが、必要なときに都度、クリエイターのやりたいことに合わせて参画するような形を取っている」と渡邉氏。クリエイターの満足度も高く、多くのクリエイターに利用してもらっているとのことだ。

コンテンツ制作事業の「BitStar Studio」もプロダクション事業と同じ3年前に、芸能人のYoutubeチャンネルづくりからスタートした。現在はマスメディアと共同でのYouTubeチャンネル運営や、ブランド・企業との協業、自社メディアとしてのチャンネル開設も行う。

「メディアとの協業では『情熱大陸』や『オカルト部』のYouTubeチャンネル運営により、3年で損益分岐点を超えるところまで育ってきたところ。ブランド・企業との協業では、テレビに代わり、YouTubeチャンネルへ年間でスポンサードしてもらうという流れが昨年あたりからできてきた。僕らは、制作費をいただきながらレベニューをシェアするというSaaSビジネスのようなモデルでやらせてもらっている」(渡邉氏)

YouTubeはほかのSNSと異なり、コンテンツ制作が番組作りに近いと渡邉氏。「コンテンツを頻度高く、毎日のように配信していくので、PDCAが試される。そういうサイエンス的なところは我々が強いので、業界の先駆けとして伸ばしてきたところです」(渡邉氏)

直近では、新型コロナウイルス感染症の影響で、新製品リリースなどのタイミングでライブ配信需要も増えており、「制作の幅も広がっている」と渡邉氏はいう。

VR/VTuber対応でも、2018年に「BitStar Akihabara Lab」を立ち上げ、専門の制作・運営体制を提供。他社キャラクターを協業で運用したり、VR空間を生かした体験型イベント、AR技術を生かしたアトラクションを提供したりしている。AR技術で深度センサーを使い、VTuberキャラと触れ合ってチェキを撮影できるイベントは、来場者300人でチケット3000枚を販売するほどの人気だったそうだ。

VTuberのリアルファンイベント「わくわく!VTuberひろば」はオンライン化も試みられた

創業当初はYouTuberと企業のマッチングプラットフォームとして始まった、インフルエンサーマーケティング事業「BitStar Ads」は現在、インフルエンサーのキャスティングから広告運用・出稿、データ分析と幅を広げ、クリエイティブ領域、コンテンツ領域にも対応し、「人を軸にしたエージェンシーとしていろいろな広告商品を開発・展開している」(渡邉氏)という。

BitStar Adsの利用クライアントは累計約800社以上、動画配信数は4000本以上となった。「広告領域で特に強みとするのは、定量的にデータでキャスティングを最適化する国内最大級のインフルエンサーデータベース『IPR(Influencer Power Ranking)』で、こちらは現在約1500社の登録がある。YouTubeに加え、InstagramやTwitterなどのプラットフォームも合わせて10万以上のクリエイターをデータベース化しており、キャスティングに役立てていただいている」(渡邉氏)

投資家の電通、マルイなどと事業提携も進める

今回の資金調達ラウンドに参加した投資家は、電通グループ、丸井グループ、フォーイット、SKIYAKI、ビーマップ、セガサミーホールディングスと、既存株主であるコロプラネクスト、ABCドリームベンチャーズ、および複数の個人投資家。これまでの累計調達額は約30億円となった。

調達によりBitStarでは、大手事業会社との戦略的協業を具体的に始める。広告事業では、電通グループとの資本業務提携を通じて、ナショナルクライアント獲得と共同での広告商品開発を図る。「既存業界との協業により、知見や発想、ソリューションを共有して、商品開発を行う」(渡邉氏)とのことで、提携内容については今後随時発表を予定しているという。

プロダクション事業では、ファンクラブやファンサービス運用のプラットフォームを提供するSKIYAKIと、ファングッズ販売関連で既に提携を開始している。またコンテンツ制作事業では、事業会社とのYouTubeチャンネルの共同運営や、企業のオフィス内に配信スタジオを展開する際の協力などを行っていく。

丸井グループとの提携では、BitStar Akihabara Labで開発・運営するイベントアトラクションの「わくわく!VTuberひろば」を渋谷モディに常設することが決まっている。

フルスピード子会社でアフィリエイトプラットフォームを運営するフォーイットとは、プロダクト開発で協業。プロダクション所属には至らないマイクロ/ミドルインフルエンサーを対象とした、仕事依頼のためのプラットフォームを共同で開発する予定だ。

渡邉氏は、プロダクション・コンテンツ制作・広告と、「インフルエンサーサービスの3領域いずれのエリアでも成長したい」と述べている。

今期、「業界ナンバーワンの成長を目指す」と話す渡邉氏。成長率で170%を今期の業績目標としているという。直近ではプロダクション事業のKPIだけでなく、コンテンツ制作事業でも月間売上を昨年比で約2倍に伸ばしており、「新規領域でも順調に成長している」と渡邉氏は述べている。

新型コロナの業績への影響について渡邉氏は、前述したようにライブ配信コンテンツ制作など、需要が増えた部分もあるが、「リアルイベントや物販会、実写制作では影響が出ている」という。ただ「経営的には全般に大きなインパクトがあるわけではない」とも話している。

「視聴者層は増えていて、事前の市場予測よりさらに130%の伸びとなっている。芸能人がテレビから動画配信へ進出するなど、エンタメ界でDXが起きやすくなっている環境」という渡邉氏。「再度、緊急事態宣言クラスの制限があれば、痛手がないということはないが、リアルビジネスについてもECやD2Cを物販に取り入れたり、VR握手会を企画したりすることで、オンラインへの移行は進めている。もともとエンタメ業界のDXを進めてきた立場として、柔軟に対応したい」と語っている。

引用先はこちら:インフルエンサープラットフォームのBitStarがシリーズDラウンドで10億円を調達

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