富士ゼロックスの新会社、ロボットが書類のホッチキスを外しスキャン時間を短縮
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画像は米リップコード社のロボット
富士フイルムグループの富士ゼロックス株式会社は9月3日、米リップコード社とともに、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)をリードするとうたうサービス会社「富士フイルムリップコード」を設立することで合意したと発表。9月中に日本で営業を開始する。
富士フイルムリップコードは、富士ゼロックスが国内外で帳票や証憑(しょうひょう)などの文書を電子化し、業務プロセス全般を効率化するビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)サービスにより培ったノウハウを活用。米リップコード社が持つ、書類をロボティクス技術と人工知能(AI)を使い、高速で電子化する技術と融合させる。
なお、米リップコード社は、株式会社三菱UFJ銀行の取り組みでも知られる。三菱UFJ銀行は銀行内で保管している紙書類の電子化のため、米リップコード社のロボットやAI技術を活用し、2021年からすべての印鑑票(届出印影、口座番号、氏名および住所などの情報を記載した、顧客との取り引きにおいて基本となる書類のひとつ)の電子化を目指している。
ロボットによるホチキスの取り外しが可能
今回、設立が発表された富士フイルムリップコードでは、これまで膨大な時間を要していた大量の帳票や証憑、契約書といった、書類の電子化の大幅な時間短縮を実現する。たとえば、電子署名や請求書処理などの定型業務に特化した富士ゼロックスのソリューションサービスと連携することで、業務プロセスを変革し、企業のDXを加速させるという。
富士フイルムリップコードが提供するサービスの流れは以下のとおり。
1.米リップコード社のロボティクス技術搭載装置を活用し、銀行や保険、行政、エネルギー関連企業などが、大量に保管している紙の書類を高速かつ自動的にイメージデータ化する。なお、ロボットによるホチキスの取り外しもできる。
2.イメージデータ化した文書を保管・検索・活用しやすいよう文字認識(OCR)技術などを使って、タイトルなどの属性データをAIが自動でタグ付けして分類する。
3.データ化した情報をクラウド上で管理することで、テレワークなどにおけるデータ利活用を促進し、業務効率化や働き方改革に貢献できるとしている。
「DXを牽引していく企業として発展」目指す
富士ゼロックス株式会社 社長 玉井光一氏および、米リップコード CEO アレックス・フィールディング氏によるコメントは以下のとおり。
──富士ゼロックス株式会社 社長 玉井光一氏
「当社は2021年4月1日に『富士フイルムビジネスイノベーション』に社名を変更いたします。この社名変更には『常にビジネスに革新をもたらす存在であり続けたい』との思いと、市場環境の変化に迅速に対応してお客様に常に革新的な価値を提供し続けるという決意を込めております。このたび、当社と米リップコード社が9月に設立する合同会社を、当社の長年のビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)サービスのノウハウと、米リップコード社の卓越した技術を融合させることで、お客様のビジネスに革新をもたらし、デジタルトランスフォーメーションを牽引(けんいん)していく企業として発展させてまいります」
──米リップコード CEO アレックス・フィールディング氏
「DXは、世界中のCIOが最優先で取り組もうとしている課題です。当社はこの課題に果敢に取り組んでおり、富士ゼロックスとリップコードはこのジョイントベンチャーを通じ、グローバルに展開するお客様からの高い要求にお応えする一気通貫のソリューションを提供します。当社が持つ視覚機能を備えたロボット、機械学習とAIによるデータの分類や、高度な情報抽出といった技術と、イノベーション志向の富士ゼロックスが今日まで築いてきた実績を掛け合わせることで、お客様のニーズにお応えする比類なきソリューションを創出します」
>>ニュースリリース
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