AIで選手の動きを解析し指導を行うスポーツコーチアプリのMustardが1.8億円を調達、ノーラン・ライアン氏が協力
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スポーツのコーチ業は、何十億ドル(数千億円)という大きな産業だ。一部の上位選手が得ている巨額な収入を見れば、それも不思議ではない。 Mustardは、その高価なコーチ業の一部を、アスリートの技術を分析して修正方法を提供するモバイルアプリで代替もしくは補強しようとしている。
同社の共同創業者であるTom House(トム・ハウス)氏は元リリーフピッチャーで、コーチになってからの彼は「現代投球術の父」と讃えられている。
「力を無駄遣いしている子どもがとても多い。それによって彼らは、スポーツの肉体的および精神的な恩恵を失っている。いくつかの研究によると、70%の子どもが費用のためや、良質なコーチに恵まれないために13歳でスポーツを止めている。Mustardは、すべての子どもに同じコーチングプログラムと、世界のトップアスリートが使っている広範囲な生体力学的分析、および私が殿堂入りした選手たちに行ってきた個人化されたトレーニンプロトコルへのアクセスを与える。私たちは、エリート選手のための個人化されたコーチングをすべての人に提供したい」とハウス氏はニュースリリースで述べている。
Mustardは今週、そのツールを改善するために170万ドル(約1億8000万円)の資金を調達したことを発表した。ラウンドをリードしたのはShasta Venturesで、これにIntersect VCとDavid Novak(デビッド・ノバック)氏、Mike Dixon(マイク・ディクソン)、そして元メジャーリーガーのNolan Ryan(ノーラン・ライアン)と元アメリカンフットボール選手のDrew Brees(ドリュー・ブリーズ)といった多くのエンジェル投資家が参加した。ライアン氏は同社の顔としてホームページを飾っている。ページの色は、ライアンが全盛期を過ごしたヒューストン・アストロズのチームカラーのようだ。
Mustardという名前は「もっとキレのある球を投げろ」という意味の「put some mustard on it(ちょっと辛子をつけろ)」に由来している。
近く始まる招待制の公開ベータ版のアプリは野球に限定される。CEOのRocky Collis(ロッキー・コリス)氏はTechCrunchに対して 「最初は完全に無料にする。そのあと、安い月額料金で有料の機能も加えていく。しかし今後も無料バージョンは継続するので、ユーザーに大きな価値を提供できるだろう」と語る。
このシステムはスマートフォンのカメラと独自のAIアルゴリズムを使って選手の動きをモニターし、人間のコーチを真似る。野球に関しては、Major League Baseball Advanced Media(MLBAM)の技術者たちを起用している。今後徐々に、他のスポーツも加えていくという。
画像クレジット:Mustard
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)
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