消費者の好意度がわかるパッケージデザイン評価AI、コロナ禍で好調か
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コンビニやスーパーでついつい手に取ってしまう製品はないだろうか? そのような製品のパッケージデザイン開発には、人工知能(AI)が導入されているかもしれない。
株式会社プラグは9月1日、ネスレ日本株式会社の新製品『ネスカフェ ゴールドブレンド 大人のご褒美』シリーズのパッケージデザイン開発において、「パッケージデザイン評価AI」が活用されたと発表した。
「パッケージデザイン評価AI」は、590万人の消費者調査の結果を学習データに使い、東京大学と共同研究したシステム。消費者がデザインをどのように評価するかをAIが予測できる。
同AIはフルオンラインで、短時間に消費者のデザイン評価を得られるのが特徴だ。とくに、対面式の会場調査の実施が難しくなった2020年3月以降、多くのマーケターの関心を集め、普及・活用が進んでいるとのこと。
「パッケージデザイン評価AI」は、ビールやカップ麺など24カテゴリーを高い予測精度で評価可能だ。画像をアップロードするだけで、好意度スコアやイメージ、どの部分が好意度スコアと結びつくかを1分で算出。デザイン開発の時間やコストを大幅に削減できる。
また、デザインを改良するたびに何度でも評価できるので、商品の売上を左右するパッケージの開発の効果検証が繰り返し可能になり、商品のヒット確率が向上するという。開発中のパッケージデザインは消費者に見せないため、情報漏えいのリスクはないとしている。
なお、「ネスカフェ ゴールドブレンド 大人のご褒美」シリーズでは、AIが予測する好意度やイメージ、ヒートマップ結果を参考にデザインを開発した。ネスレ日本によると、「とっておきの一杯であることが伝わる、味わいや品質感が伝わるパッケージ」を目指したとのこと。
優れたデザインを生成するAI、飲料パッケージ用にアサヒらが開発
製品のパッケージデザインにAIを活用する事例は、ほかにも見られる。
株式会社Cogent Labs(コージェントラボ)とアサヒグループホールディングス株式会社は3月9日、最新のトレンドを反映しつつ独創的な飲料パッケージを自動生成する「AIクリエーターシステム」を共同で開発したと発表。ちなみに、アサヒグループは「スーパードライ」「三ツ矢サイダー」「ウィルキンソン タンサン」などを取り扱っている。
AIクリエーターシステムは、インプットされた画像素材やコンセプトから多数のデザイン案を作り出す「デザイン生成システム」と、生成されたデザイン案の良し悪しを判断して点数付けする「デザイン評価システム」のふたつから構成されている。
デザイン生成システムは、世の中のトレンドを反映した多様なデザインデータをインプットすることで、コンセプトに応じたデザインを自動生成するもの。一方のデザイン評価システムは、ディープラーニングを用いて、自動生成されたデザインを評価するシステムだ。AI自体が優れたデザインに共通する特徴を抽出し、点数付けを実施する。
ふたつの構成によって、トレンドを反映し、さらには固定概念にとらわれないデザインを多数提案する。さらに、年々変化が早くなると言われるグローバルなデザイントレンドについても、その時々のデザインデータをAIに学習させることですぐさま対応できるそうだ。
デザイン生成システムに約3000枚のトレンドを反映した画像をインプットし、デザインに精通しているクリエーター約300名によって「デザイン判断システム」の初期学習をした結果、独創的なデザインを生成できたという。
属人的だったデザインの領域において、経験や勘に頼らずに素早く優れたデザインを自動生成できるため、今後は、さまざまな業界での活用を視野に入れつつ商品だけでなく売り場全体の活性化につながるように取り組んでいくそうだ。
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