KDDI、社員の体調不良をストレスや残業時間によりAIで予想 発見時間を最大6分の1に短縮
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KDDIは9月10日から、全社員約1万2000人に、HRテクノロジーを活用したストレス人工知能(AI)分析「AI社員健康管理」を提供開始した。同AI分析を活用することで、日常的に社員の心身の変化を把握し、心身の不調につながる予兆を早期に察知・フォローすることを目指す。
KDDIは、心身不調の予兆のある社員を本人から申告のない段階でも発見し、医療職や所属長と連携のうえフォローするため、全社員を対象に、ストレスチェックを年に1回、残業時間やストレスチェック結果などのデータを用いた「AIによる不調予兆者検知」および「社内カウンセラー面談」を年に2回実施している。
本取り組みでは、心身不調の予兆がある社員をいかに早く発見できるかが重要だが、年に2回の状況把握ではリアルタイム性が低く、予兆を見逃してしまう可能性があったという。KDDIは、このような課題を解決するために「AI社員健康管理」を導入したという。
「AI社員健康管理」では、社員が業務用スマホで「最近、よく眠れていますか?」など、健康に関わるさまざまな質問に1日1問で質問し、日々の回答を蓄積することで、心身の変化を可視化できる。また、AIを用いて、蓄積した回答データを分析することで、各設問と心身不調の予兆との相関性やストレス度合いも明らかにし、不調予兆者を検知する。
さらに、同AI分析は1日1問の回答に加え、年休取得日数やストレスチェック、急激な残業増などの多岐にわたるデータからもAIにより、社員のストレス度合いを分析および、心身不調の予兆がある社員を検知できる。
2019年4月から実施したトライアルでは、不調予兆者の発見時間を最大で6分の1に短縮したという。心身不調予兆がある社員と検知した100名中の42%が実際にサポートを必要と判断されるなど、実績を積み重ねてきたとのこと。
>>ニュースリリース
東芝、健康診断結果から6年先までの生活習慣病発症リスクを予測するサービス開始
近年、社員の体調不良をAIで予測するなど、医療分野でのAI活用は進んでいる。
たとえば、株式会社東芝と東芝デジタルソリューションズ株式会社は7月13日、健康診断結果から生活習慣病発症のリスクを6年先まで予測する「疾病リスク予測AIサービス」を提供開始した。
疾病リスク予測AIでは、1年ぶんの健康診断データから、糖尿病・高血圧症・肥満症・脂質異常症・肝機能障害・腎機能障害の6つの生活習慣病リスクについて、6年先までの予測結果が提供される。
疾病リスク予測AIは、SOMPOホールディングス株式会社と東芝らが共同開発したものだ。このAIの開発は2018年10月から開始されていた(外部サイト)。
すでに、リゾートトラスト株式会社のグループ会社が運営支援する医療法人社団ミッドタウンクリニックでは、人間ドック受診後のレポートに疾病リスク予測AIを用いた疾病リスク予測結果を掲載する取り組みが始まっている。この実績をふまえ、東芝らは疾病リスク予測AIをサービス化するに至った。
疾病リスク予測AIのリスク予測精度は、6年先までの糖尿病発症において90%以上。これは研究協力機関などの匿名化した大規模な健康診断データを用いた学習と、独自手法による最適化によって実現している。また、同AIには、東芝グループが産業分野で培ってきたAI・ビッグデータ解析技術や、国内外の大学などと共同研究してきたヘルスケアデータマイニング技術が応用されている。
疾病リスク予測AIサービスは、SOMPOひまわり生命保険株式会社が2020年7月13日からサービスを開始する「Linkx 健康トライ(リンククロス 健康トライ)」の機能のひとつとして採用された(外部サイト)。
東芝グループは今後、疾病リスク予測AIだけでなく、糖尿病性腎症重症化予防や心疾患などへのAI活用を進め、食生活や運動習慣改善などの行動変容を促すためのソリューション開発を進めていく。
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