東京大学JSK発のロボット開発スタートアップ「キビテク」が6840万円を調達
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ロボットの高度自律型遠隔制御システム(HATS)の開発およびロボット用制御ソフトウェアの受託開発を手がけるキビテクは9月18日、第三者割当増資として6840万円の資金調達を発表した。引受先は、シンク・アイ・ホールディングス、匠、ウイルテック。
キビテクは、今回調達した資金と出資企業との連携により、来年度の本格サービスインに向け、各種現場の知識に基づいた遠隔アシスト機能実現のためのソフトウェア開発・オペレーションセンター体制の構築を加速する。また、製造現場におけるFA系への取り組みを推進するとしている。
同社は、様々な高難度業務への自律ロボット導入を促進するため、自律ロボットが搭載するAIを遠隔オペレーターが効率よくアシストすることで、「常識を扱えない」「大量の事前知識を必要とする」などのAIの課題を克服する「HATS」(Highly Autonomous Teleoperation System))の開発を進めている。
近年、物流現場や店舗などで自律型のロボットが様々な現場で活躍を始めている一方、AIにも限界があり(人間にとっては当然に思える)常識や社会的文脈に沿った臨機応変な対応ができるとは限らない。しかし、様々な状況に対応できるよう、事前にその状況をすべて洗い出してAIに教え込ませることは不可能だ。
その結果、わずかに残存する異常状態への対応ができないために自律ロボットの導入に踏み切ることができないか、導入できる業務が限定されてしまうという課題があるという。また、すでに導入済みの場合でも、AIの限界によってロボットが停止してしまい、現場での復旧作業が必要となり、運用効率の低下というケースも見受けられるという。
同社が開発を進めているHATSは、遠隔オペレーターが簡単な操作で要点のみをロボットに指示することで、1名で担当できるロボット台数を格段に多い状態で運行できるようにするという。これにより、停止したロボットの復旧対応などを効率的に行えるようにするサービスとしている。
この事業を通して、障害者、リモートワークに縛られる方、途上国の低所得者などにオペレーター業務を担ってもらうことで就労の機会を増やし、貧困や格差固定化の問題の低減につなげ、より幸せな社会の実現に貢献するとしている。
キビテクは、東大の人型ロボット研究室JSK(情報システム工学研究室)出身者を主として2011年に創業した、知能ロボットの開発を行うスタートアップ企業。企業名「キビテク」の「キビ」は心の「機微」を意味しているという。同社の得意な技術を通して、未来の世界の人々の心の幸せに貢献することを最も大切にしている。
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