高エネルギー効率チップに取り組むNUVIAが約253億円調達、元Apple Aチップ開発者が挑む
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このところ気候変動は皆の関心事だ。ベイエリア郊外での山火事によってサンフランシスコ上空がオレンジ色に染まり、東海岸はハリケーンに見舞われた(これらは過去2週間、米国で起きたことだ)。
そして排気ガスの原因、その中でも主要かつ急成長中のものは我々のデバイスのほとんどを動かすクラウドインフラのデータセンターだ。こうした実情により新たなアイデアも出てきている。例えば、Microsoft(マイクロソフト)の海底データセンターProject Natickだ。1週間と少し前にテストのために同社は水中から回収した。
ただ、こうした興味深い実験にもかかわらず、より効果がはっきりとしているソリューションがある。よりエネルギー効率のいいチップの製造だ。
それがNUVIA(ヌビア)の命題だ。同社はApple(アップル)のiPhoneやiPad向けチップAシリーズのデザインを何年にもわたって担当してきた元チップデザイナーによって設立された。それらチップはかなりタイトなエネルギーエンベロープの中で驚くほど高速だ。そして、NUVIAの前提は必然的にそうしたエネルギー制約を抱える時に起こることに置かれ、データセンターに使われるものだ。
TechCrunchは昨年、NUVIAが5300万ドル(約56億円)のシリーズAを発表したときに同社について詳しく取り上げた。同社の創業ストーリーやミッションを理解したい人はそちらを読んでほしい。それからおよそ1年たち、同社はさらに大きな資金調達のニュースで再登場した。
NUVIAは9月24日、2億4000万ドル(約253億円)のシリーズBラウンドを発表した。本ラウンドはMithril Capitalがリードし、他にも多くの投資家が参加した。
最後にNUVIAに話を聞いたときよりも、TechCrunchは同社が何に取り組んでいるのかもう少し詳しい情報を得た。現在「Orion」という名称のシステム・オン・チップ(SoC)と、「Phoenix」というCPUコアの2つのプロダクトを開発中だ。同社は先月、Phoenixのパフォーマンスを少し紹介した(NUVIAブログ)。ただ、ほとんどのチップ企業がそうであるように、そうしたテクノロジーが今後マーケットに投入される既存あるいは将来のチップの仲間に加わるのか、長期的に予測するにはまだ早すぎるようだ。
NUVIAの考えは、ほとんどのデータセンターの冷却・エネルギー制約を考えたとき、チップは消費電力250〜300W(ワット)に限定される、というものだ。より多くのコアが共通のプレチップになるにつれ、各コアはパフォーマンスを維持しつつ低消費電力を実現しなければならなくなる。NUVIAの技術はこの問題を解決しようとしている。データセンター事業者の運用総費用を下げながら、一方で全体的なエネルギー効率を向上させる。
もちろん取り組むことはまだ多くあり、NUVIAの技術が完成に近づくに従って同社からプロダクトの発表やプレビューがあることが予想される。新たに調達した2億4000万ドルでもってもちろん取り組みを前進させるリソースを得ることになる。
昨年同社に話を聞いた直後に、アップルはNUVIAのCEO、Gerald Williams III(ジェラルド・ウィリアムズ3世)氏を契約違反で訴えた。アップルの主張は「ウィリアムズ氏が自身の新しいスタートアップのためにアップルの従業員を引き抜こうとした」というものだ。ウィリアムズ氏も今年初めに逆提訴し、訴訟は証拠の開示を求める手続きの段階にある。
リードしたMithrilに加えて、今回のラウンドは半導体大手Marvellの創業者(Sehat Sutardja氏とWeili Dai氏)とのパートナーシップのもとに行われ、ファンドはBlackRock、Fidelity、Temasekが管理した。またAtlantic BridgeとRedline Capital、そしてシリーズAの投資家からCapricorn Investment Group、Dell Technologies Capital、Mayfield、Nepenthe LLC、WRVI Capitalが参加した。
画像クレジット:Andriy Onufriyenko / Getty Images
[原文へ](翻訳:Mizoguchi)
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