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テクノロジー企業は独立業務請負人の扱い方を徹底的に見直すべきだ
AI.

著者紹介:Adam Jackson(アダム・ジャクソン)氏は、組織と世界水準の技術人材を結ぶ、初めてのユーザー主導型人材ネットワークBraintrust(ブレイントラスト)の最高経営責任者(CEO)だ。彼は遠隔診療企業Doctor On Demand(ドクター・オンデマンド)とブロックチェーンにフォーカスしたデジタルアセットマネジメント企業Cambrian Asset Management(キャンブリアン・アセットマネジメント)の共同創業者でもある。

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株式市場が急騰し、大手テクノロジー企業の多くが過去最高の四半期収益を達成しているにも関わらず、テクノロジー企業やその他の米国実業界全体で、いまだに解雇される人々がいる。Salesforce(セールスフォース)は四半期利益が50億ドル(約5260億円)を超える過去最大を記録したが、約1000人を解雇した。LinkedIn(リンクトイン)は10パーセントの収益増を報告した翌日に、960人を解雇している。

このような解雇は大企業にとってはサイズの縮小程度に思えるかもしれないが、実際には「The Great Unbundling of Corporate America(米国実業界の大変化)」と私が呼んでいるものの始まりだ。企業はまだ成長し、イノベーションを実現し、仕事を成し遂げる必要があるため、簡単にプロジェクトをキャンセルしたり契約を断念したりはしない。

新型コロナウイルス感染症によりリモートワークへ向けた動きが加速したように、我々が直面する現在の危機により独立業務請負人を雇用する傾向が加速している。2019年の『New York Times(ニューヨーク・タイムズ)』の記事によると、Google(グーグル)は12万1000人の派遣社員と契約社員を雇っていた。こうした人たちは影の労働力と呼ばれ、正社員の人数10万2000人を上回っていた。2018年のZipRecruiter(ジップリクルーター)の報告によると、テクノロジー企業における雇用の記録的拡大とともに、独立業務請負人の雇用比率は増加を示していた

Bureau of Labor Statistics(アメリカ合衆国労働統計局)の調査では、現在、総労働力の6.9パーセントから9.6パーセントが独立業務請負人であることがわかった。Upwork(アップワーク)によると、実際は35パーセントに上る可能性がある。ここで重要なことは、企業が今この時を独立業務請負人に振り子を振る機会として利用し、企業の贅肉をそぎ落とそうとしていることだ。そして、「前例のない時期」への対応をあいまいにしたまま、そのことを正当化している。

私の考えでは、世の中の混乱にもかかわらずNASDAQ(ナスダック)が最高値を更新しているのは、こういった理由からだ。気が滅入るような話だが、大企業が締め付けを強め、無駄なものを一掃している一方で、自由に採用、解雇できる手頃な労働力を手に入れていることを投資家はわかっている。大企業はオフィス空間から自由になったように、決まった数の従業員を持つことからも自由になろうとしている。

Square(スクエア)は全従業員が永続的にリモートで働くことを許可した。これは、従業員たちに創造的、生産的であってほしいという思いからだけでなく、かなり高額で無駄なオフィススペースを手放したいという思いもあったようだ。

同様に、もし融通が利く独立業務請負人ができる仕事を正社員がやっていたら、そこも変えたいと思うのが当然だ。それに、オフィスにそんなに多くの人がいない方が、ずっと楽だろう。

しかし、この議論で私が言いたいのは、独立業務請負人を使うことに反対だということではない。

過去に、フリーランスビジネスを始める方が望ましかったとき、というのを思いつかない。今、起業コストはかなり低くなっている。企業がリモートワークへと移行する中、理論上はビジネスを今までとは違い、国家的に(もしくは国際的に)捉えることができる。企業が正社員を独立業務請負人と入れ替える動きは、自分だけの小規模フリーランス企業を立ち上げるチャンスだ。米国の実業界が求める労働時間から自由になり、自分の収入がどのような会社からも影響を受けないようにすることで、この先の苦難の時を切り抜ける方法を作り出せるかもしれない。

リモートワークへの移行が急がれているということは、多くの労働者がフリーランス経済へと向かう可能性もある。リモートオフィスを整えなければならない、会議はリモート出席、それに毎日を管理し段取りしなければならない。そうやって普通の労働者はフリーランサーの生活にほとんど適応してきた。

オフィスに通っていた人は、物事が単純に起こるだけ、という状態だったかもしれない。それに対し、リモートの世界はカレンダーに注意を払わなければならないし、同僚に積極的に働きかけなければならない。それがフリーランスビジネス運営のやり方のモデルになる。市場価値があり、複数の顧客に売ることができるコアな知識や能力を持っている人は、賃金生活者でいることがまだ必要なのか、きちんとした理由があるのか、それを考えるべきだ。

とはいえ、米国の実業界、特にテクノロジー企業は、この必要不可欠な働き手を今まで以上に大きな共感と敬意を持って待遇しなければならない。

Uber(ウーバー)やLyft(リフト)はドライバーを従業員として扱うよう命じられた。契約社員を会社の一員として扱ってこなかったことが1つの原因になっている。諸手当(有給休暇や健康保険など)が明らかに足りないだけでなく、ウーバーは多くの大企業と同様、契約社員を融通が利く人員としてではなく、いつでも解雇できる人員として扱っている。契約社員はこの会社における正真正銘の原動力であるにもかかわらず、である。ウーバーが株式を公開したとき、2500回から4万回仕事をしたドライバーに、ごくわずかのボーナスが出た。それとともに最高1万ドル(約105万円)分の株式をIPO価格で購入するチャンスが与えられた。ウーバーが株式を公開したときに多くの人々が百万長者、億万長者になったのは、まさにこうしたドライバーたちのおかげだったが、このドライバーたちには、もし株式を素早く売れば収入が得られるかもしれないというチャンスが与えられただけだった。

これは独立業務請負人のロイヤルティを生み出すうえで、非常に悪い見本だ。独立業務請負人を搾取して事業を確立しようとする大企業にとっては良い見本となる。

私が提案したいのは、フリーランス契約の徹底した見直しだ。独立業務請負人を、正社員の雇用を避けるための手段としてでなく、まったく違うタイプの労働者として考えてほしい。定義によればフリーランサーとは、独占されず、積極的に仕事が斡旋されるべき者であり、構築されたネットワークの一員である。米国の実業界における自由契約労働へのアプローチに関して問題の1つとなっているのが、雇用に対する「我々」対「彼ら」というアプローチだ。我々の一員なのか、単なる使い捨ての存在なのか、どっちなんだという考え方である。私が提案しているのは、フリーランサーを企業戦略の必要不可欠な一部として扱い、相応に報いることだ。フリーランサーは自分の株主所有権を獲得し、個人的に関与していくべきだ。フリーランサーが数多くのプロジェクトに協力し、会社の歴史の中でも大きな成功を獲得してくれるかもしれない。

フリーランスワーカーの扱いが原因で、請負の仕事が単なる報酬目当てになっている。テクノロジー企業は、何十万人もの独立業務請負人の職を生み出すことに成功してからは、独立業務請負人の待遇の仕方や、仕事に対する報酬の与え方を先陣を切って見直すことが必要である。そして、米国の実業界は、独立業務請負人をビジネスを行うための単なる安くて楽な手段とみなすことをやめる必要がある。彼らにはもっとずっと価値があるのだから。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ

タグ:コラム

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(翻訳:Dragonfly)

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