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オンライン園芸店のBloomscapeが約16億円調達、植物管理アプリVeraを買収
AI.

2020年、新型コロナウイルスによって続くロックダウンの間、植物に投資して小さな庭園を造りたいと考えているのは、あなただけではない。温室から消費者へ生きた観葉植物を直販を手掛けるBloomscape(ブルームスケープ)によれば、今年は植物に興味を示す人が増え、すでに成長を続けている同社のサービスへの需要が高まっているという。米国時間9月30日にBloomscapeは、1500万ドル(約15億8000万円)のシリーズBラウンドによる新たな投資金調植物管理アプリVera(ベラ)の買収を発表した。

この新ラウンドはGeneral Catalystが主導し、Annox CapitalのBob Mylod(ボブ・マイロッド)氏、Booking Holdingsの元会長でありHome Depot役員のJeff Boyd(ジェフ・ボイド)氏、Burt’s BeesのCEOを経てSeventh GenerationのCEOとなったJohn Replogle(ジョン・ルプロール)氏、それにすでに同社の既存投資家のRevolution VenturesとLudlow Venturesが参加している。

General Catalystの共同創業者であり業務執行取締役のJoel Cutler(ジョエル・カトラー)氏と、Annox Capital Managementの業務執行社員であるBob Mylod(ボブ・マイロッド)氏は、今回のラウンドの一環としてBloomscapeの取締役会に参加する。現在までBloomscapeは、2400万ドル(約25億3000万円)を調達した。

Bloomscapeは2018年、ミシガン州在住のデザイナーであり起業家のJustin Mast(ジャスティン・マスト)氏により、観葉植物が消費者の玄関先に届けられるまでの米国内の流通経路の再構築を目指して設立された(dbusiness記事)。

今では、ホームセンターやAmazon(アマゾン)を始めとする大手eコマース企業など、他の企業も生きた観葉植物の通販を手掛けている。しかしBloomscapeは、配達プロセスと舞台裏の流通業務を確実に改善した手段に違いがある。

同社は、観葉植物のパッケージ技術で特許を出願している。その技術により、植物と植木鉢は適正な温度の下にしっかりと保たれる。また「結着剤を混ぜた独自の用土が移動の間も土を保持し、根を保護する」とマスト氏は説明している。

しかも、観葉植物は温室から直接消費者へ出荷されるため、温室からいったん量販店に送られ、そこから消費者に配送されるという、平均4週間はかかる通常の工程よりも、健康な状態で届けることができる。

同社はまた、地域フルフィルメント戦略の改善も進めている。そこには、輸送時間をさらに短縮するための地域拠点やシステムの構築も含まれる。

マスト氏は、Bloomscapeの現在までの成功は、1つの要因だけによるものではなく、人々、プロセス、システムの連携によるものだと強調する。

「私たちの製品およびサプライチェーン部門で働く人々は、国内外への観葉植物の配送と最上級のフルフィルメントプロセスに数十年の経験を誇っています」とマスト氏。「現在私たちは、さまざまな条件ごとに、どの植物がよく売れているかに関する大量の情報を内部に集積しています。この情報を体系化することで、健康な植物による製品構成を確実にする最適化が可能になります」と続ける。

新型コロナウイルスの感染蔓延以前から、Bloomscapeは着実な成長を遂げていた。具体的な数字は示さないものの「この事業は昨年から4倍に成長し、従業員も倍以上に増えている」とマスト氏は説明する、

Bloomscapeでもっとも急速に延びているセグメントは、主にに南部および中部大西洋地域の郊外に暮らすミレニアル世代だ。その多くは、新たに、または最近一戸建て住み始めた家族でもある。

新型コロナウイルスが蔓延しロックダウンが施行されると、Bloomscapeは、単に増大する顧客の需要に対応するだけでなく、リモートワークという従業員のライフスタイルへの迅速な適応も求められるようになった。

「あまりにも多くの人たちが、計り知れない困難を抱えたこの時期でも事業に感染拡大の悪影響を受けなかった私たちは大変に幸運でした。新型コロナウイルス流行の最初の2カ月ほどで、世界中がそうであったように、たくさんの変化を経験しました」とマスト氏。「多くの人たちが、植物に癒やしを求め、植物に興味を持つようになりました。私たちの観葉植物が自然を家庭にもたらし、ほんのわずかでも慰めや喜びを提供できることに大変な喜びを感じています。この時世に人々に価値あるものを届けられることを胸を躍らせています」と同氏は話した。

新型コロナウイルスの感染蔓延によって促進されたeコマースへの移行は、この健康危機が収まった後もBloomscapeに恩恵をもたらし続けるだろう。さらにマスト氏は「ひとたび植物に手を染めた人は、もうやめられなくなる」と指摘する。

資金調達のニュースに伴い、Bloomscapeは植物管理アプリVeraの買収も発表した。買収額は公表されていない。この取引は、技術のみが対象となり、アプリ開発チームそのものは含まれないとのことだ。

Veraは現在、植物管理のコツ、記事、トラブルシューティング、水やりのリマインダーなどを利用者に提供している。Bloomscapeでは、このアプリを活用して利用者とのつながりを深め、既存の植物管理アシスタント・サービス「Talk to Plant Mom」(植物ママと話そう)などをはじめとする、同社の植物管理情報や資料を統合させたいと考えている。

Veraを使った植物管理情報の提供拡大に加え、Bloomscapeは今回新しく手に入れた資金を使い、人材の増強、地域フルフィルメント戦略の改善、新製品のローンチを計画している。そのひとつが、Edible Garden Shop(食用ガーデンショップ)だ。ここでは、小さなトマト、ラベンダー、スイートペッパー、ホットペッパー、ケールミックス、ミント、カモミールの苗が買える。「来年には屋外用植物の扱いも開始する」と同社は話していた。

「Bloomscapeが持つ家庭園芸の見識を上回る顧客向け垂直市場の見識を持つ人たちは、滅多にいません」とカトラー氏は、今回の投資に関する声明の中で述べている。「彼らは、植物の栽培と生きたままの配送という複雑な物流管理に大変に秀でているばかりでなく、生活空間に緑を欲している今日の顧客と強い共鳴で結ばれています」と続けた。

画像クレジット:Bloomscape>

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(翻訳:金井哲夫)

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