眼科遠隔診療サービス提供のMITAS Medicalが資金調達、チーム強化やデバイス・AI開発加速
AI.
眼科診療サービスを提供するMITAS Medicalは10月1日、資金調達の実施を発表した。引受先はタカギセイコー。
今回の調達により、チーム強化、診療の幅をさらに広げる新たなPOC(Point of Care。ポイント オブ ケア)デバイスの開発、AI開発のさらなる加速を行う。POCとは、病院の検査室・検査センター以外の場所で実施する臨床検査を指す。患者が病院などに検査を受けに行くのではなく、患者の近くで検査を行うことで検査結果を即座に医師が判断し、迅速な処置を施せるというもの。
同社は「これのおかげで失明せずに済んだ」といってもらえる仕組みを世界中に届けることを目標に、今後も邁進するとしている。
MITAS Medicalは、「医療が届かないところに医療を届ける」というミッションのもと、眼科医以外の方でも診察に必要なクオリティの眼画像を簡単に撮影できるスマートフォン接続型眼科診療機器「MS1」をタカギセイコーと共同開発し、現在80ヵ国で販売を開始している。
また、このMS1をMITAS Medicalが開発した専用アプリケーションと組み合わせて利用することで、眼科診療の経験がない方でも必要な問診・眼画像などを使用し、遠隔で眼科医に相談することを可能にした。
このサービスは Dr. to Dr. 診療支援システムとして、眼科疾患の予防・早期発見・早期治療へ貢献している。
これまでの利用例としては、眼科医療の領域で課題を抱える新興国での活動例がある。
モンゴルでは、2019年10月からモンゴル国立医科大学と保健省の支援の下、西部のある州の全診療所にMS1と専用スマホアプリを配布し、各診療所から州中心部の眼科医とつなぐ遠隔診療サービスを導入した。
月に100件以上の症例がMS1の遠隔診療システムを介して診療され、実際に緑内障発作による失明を未然に防ぐなど、その医学的・社会的必要性を再確認できたという。モンゴルの公共衛生に貢献するとともに、遠隔診療システムのオペレーションを円滑にまわすノウハウや、AI診断を可能にするためのデータ蓄積など数多くの成果を得ているとした。
カンボジアにおいては、首都プノンペンにある外資系総合病院にてMITASの遠隔診療サービスが採択され、2020年1月から運用を開始した。
昨今のCOVID-19の拡大に伴い、非接触診療のニーズが高まっており、国内において遠隔診療の法規制が緩和されるなどの様々な環境変化に合わせ、国内事業も開始している。
カテゴリー:ヘルステック
タグ:MITAS Medical、タカギセイコー、遠隔医療、資金調達、人工知能・AI、ポイント オブ ケア
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