アップルがフラグシップとなる5GモデルiPhone 12 ProとPro Maxを発表
AI.
米国時間10月13日に開かれたApple(アップル)のiPhoneイベントで、一連の新型iPhoneが公開されたが、その筆頭は発表されたばかりのフラグシップモデルであるiPhone 12 Pro(10万6800円〜)と、iPhone 12 Pro Max(11万7800円〜)だ。5Gに対応したこの新型モデルは、全面が画面となるRetina XDRディスプレイ、A14 Bionicチップ、セラミックシールドのフロントカバー、LiDARスキャナーそしてもちろんiPhoneで最上級のカメラシステムを備えている。
iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Maxには128GB、256GB、512GBの3つの仕様があり、仕上げはグラファイト、シルバー、ゴールド、パシフィックブルーという4種類から選べる。
当然ながら、5Gが最大のセールスポイントだ。この新技術によりスピードが格段に上がる。つまり、ダウンロードとアップロードが速くなり、ストリーミングの画質が上がり、ゲームのレスポンスが向上し、アプリの反応も速くなるなど、さまざまな恩恵がある。
もちろん新しい5Gスマホの当面の需要は、特に新型コロナウイルスがいまだに手の付けられない状態にある米国などの市場では、パンデミックによって沈静化される恐れがある。自宅勤務をしているユーザーたちも、パンデミック前とは違い、今すぐ5Gにアップグレードする必要性を感じていないだろう。1日の大半を自宅で過ごす人たちの多くは、Wi-Fiが使える環境にあるからだ。
米国では、iPhone 12 Proは人が混み合う場所であっても、最大4Gbpsの速度で使えるとアップルは話している。データ使用量とバッテリーパワーのバランスをリアルタイムでインテリジェントに調整するSmart Data(スマートデータ)機能が、さらにデータ転送の高速化を助ける。
この新型iPhoneの内部には、16コアのNeural Engine(ニューラル・エンジン)を採用したA14 Bionic(バイオニック)チップが搭載され、性能は80%向上したとアップルは主張している。これは、1秒間に11兆回の演算が行える処理能力だ。以前のモデルよりも高速で効率性も高い。
美的観点からも、この新型iPhoneはどこか違っている。
6.1インチのiPhone 12 Proと6.7インチのiPhone 12 Pro Maxは、フラットエッジデザインとなり、縁が狭く、端から端まで有機ELディスプレイが広がっている。エッジが「より四角く」なったことで、昔のiPhoneのデザインを思い起こさせる。
Pro Maxには、これまでで最大の画面が搭載され、解像度もほぼ350万ピクセルと最高になった。
背面はマットなガラス仕上げで、エッジにはステンレス製のベルトが巻かれている。しかし、新しいのはアップルが「Ceramic Shield(セラミックシールド)」と呼ぶものだ。いわば「ひび割れしにくい」頑丈なフロントカバーで、落としたときの耐久性はiPhone 11 Proの4倍だとアップルはいう(これは確かめなければ!)。
iPhone 12 Proは、水深6メートルで30分間耐えられる防水性も備えている(IP68等級)。
もうひとつ、このハイエンド機の大きな魅力といえば、もちろんカメラシステムだ。
今度のカメラは、新しい画像信号プロセッサー(ISP)とA14 Bionicに支えられ、2020年中に「Apple ProRAW」形式に対応するとのことだ。この形式は、アップルのマルチフレーム画像処理技術と計算写真学的性能にRAWの汎用性を組み合わせたものだ。具体的には、iPhone上でネイティブに、あるいはサードパーティー製の写真編集アプリを使って、色、ディテール、ダイナミックレンジをクリエイティブに調整できるようになる。
iPhone 12 Proにはさらに、絞り値ƒ/1.6の新しい7枚構成の広角カメラが搭載された。処理速度はiPhone製品の中では最高となり、暗い場所での動画や写真の画質の向上が期待される。超広角カメラは視野角が12度となり、焦点距離52ミリの望遠カメラには4倍の工学ズームが備えられた。
iPhone 12 Pro Maxではさらに、センサーが47%大きくなり、ピクセル幅が1.7μmとなったことで、暗い場所での画質が87%向上するとアップルは話している。超広角カメラと焦点距離65ミリ、工学ズーム5倍の望遠カメラも備える。
ナイトモードがフロントのTrueDepthカメラと超広角カメラでも使えるようになり、タイムラプスをナイトモードにすれば、より鮮明な動画が撮影できる。iPhoneを三脚に固定すれば、光の軌跡や露光の変化もさらに滑らかに撮れる。
Deep Fusionも高速化され、スマートHDR 3の画像はより実際に近いものみなるとアップルは説明している。
動画は最大60fpsのDolby Vision対応HDRの撮影が可能となり、安定度が増した。4K Dolby Visionの動画は、AirPlayで共有できる。
その上、新たにLiDARスキャナーが搭載された。AR(拡張現実)に対応するための機能だ。
これは、暗い場所でも6倍速くなったオートフォーカスとの組み合わせで、より高速でリアルなARを提供するも。これを使うことで、Snapchat(スナップチャット)のフィルターのような、おもしろいアプリやアプリ内体験が現れる可能性がある(特に解説はなかったが、デモの中でSnapchatがちらりと見えた)。
もうひとつ、この新型iPhoneの消費者にとってうれしい機能は、MagSafe(マグセーフ)だろう。これは、無線充電を可能にするものであり、同時に、磁石でくっ付くアクセサリーを使えるようにするものだ。新しいアップルのMagSafe対応iPhoneレザーウォレットなどがそれにあたる。米国時間10月16日にはMagSafe充電器、iPhone 12 Pro用シリコンケースとクリアケースのセットが発売される。Leather Caseの発売は米国時間12月6日。MagSafe Duo ChargerとLeather Sleeveが、その後に発売が開始される。
iPhone 12 Proの米国での予約は、米国太平洋夏時間で10月16日金曜日午前5時から受付が開始される。米国での販売は米国時間10月23日より。iPhone 12 Pro Maxの予約受付は米国太平洋夏時間11月6日午前5時から。米国での販売は米国時間11月13日からとなる(日本ではPro、Pro Maxともに10月16日午後9時から予約開始)。
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Apple、Apple iPhone Event、MagSafe、iPhone
画像クレジット:Apple
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(翻訳:金井哲夫)
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