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ローカルのクラウドインフラプロバイダーをサポートするエストニアのWarrenが1.5億円調達
AI.

創業者らのサブプロジェクトとして始まったWarren(ウォレン)はいま、ローカルのクラウドインフラサービスプロバイダーが、Amazon(アマゾン)やMicrosoft(マイクロソフト)、IBM(アイビーエム)、Google(グーグル)といった大手と競合するのをサポートしている。エストニア・タリンに拠点を置くWarrenのセルフサービス分散クラウドプラットフォームは、世界で最も急速に成長しているクラウドサービスマーケットの1つである東南アジアや欧州で勢いがある。同社は最近、Passion Capitalがリードした140万ドル(約1億5000万円)のシードラウンドをクローズした。そしてこのほどブラジルでサービスを立ち上げ、南米での事業拡大を計画している。

Warrenのシード資金調達にはLemonade Stand(レモネード・スタンド)、そしてNokia(ノキア)の元副社長Paul Melin(ポール・メリン)氏やSuperangelとNordicNinjaの共同創業者Marek Kiisa(マレク・キーサ)氏といったエンジェル投資家も参加している。

世界をリードするクラウドプロバイダーは、マーケティングチームや世界中のデータセンターを拡充して積極的に国際展開している(例えばAmazon Web Servicesと競っているマイクロソフトは過去数カ月、オーストラリアに新たなデータセンターを設置し、ブラジルにも進出し、台湾に新たなリージョンセンターを置くことを発表した)。

しかしカスタマイズされたサービスとデータ管理に対する需要によって、多くの企業、中でも中小企業はローカルのクラウドインフラプロバイダーを選びがちだとWarrenの共同創業者でCEOのTarmo Tael(タルモ・タエル)氏はTechCrunchに語った。

「ローカルのプロバイダーは、一般的に個人販売やローカル言語でのサポートに、より多くの注意を払います。さらに重要なことに、中小企業クライアントへの柔軟性の提供とカスタム需要に応えることに重きを置いて対応しています」と同氏は述べた。「グローバルのプロバイダーはおそらくいくつかの大企業にのみ細やかに対応しています」。多くのローカルプロバイダーは中小企業を惹きつけるために低価格でサービスを提供し、かなりのサービスを無料としている。

タエル氏は「データ主権は、クライアントの多くがクラウドプラットフォームを選ぶ際に重要な要素となっている」と付け加えた。

2015年にタエル氏と共同創業者のHenry Vaaderpass(ヘンリー・ヴァーダーパス)氏はeコマースサイトの開発エージェンシーを運営しながら、後にWarrenとなったプロジェクトに取り組み始めた。初めから2人は自分たちのプロダクトを開発したかった。そしていくつかのアイデアを試したが、ぱっとするものではなかった、とタエル氏は話した。と同時に、エージェンシーのeコマース顧客はビジネス成長とともに問題にぶつかっていた。

タエル氏とヴァーダーパス氏の顧客は、ローカルのクラウドインフラプロバイダーを選ぶ傾向があった。なぜなら価格が安く、よりパーソナライズされたサポートを受けられるからだ。しかし新規のeコマースプロジェクトをスケーラブルなインフラとセットアップするのは、多くのローカルクラウドインフラプロバイダーが異なるプラットフォームを使っているために割高だ。

「なので我々はeコマースプロジェクトをよりうまく、そして効率的に管理するために使えるツールの模索を始めました」とタエル氏は語った。「探し求めていたものが見つからず、我々は自分たちで構築するチャンスだととらえました」。

最初のプロトタイプを作った後、タエル氏とヴァーダーパス氏は、他の開発チームにも使えるものかもしれないと認識した。そしてクラウドデータセンターやインフラプロバイダーと仕事をしたことのあるキーサ氏のような投資家からのエンジェル資金獲得を模索することを決めた。

世界で最も急速に成長しているクラウドマーケットの1つである東南アジアは、Warrenの事業で重要な位置を占める。同社は引き続き東南アジアを開拓し、その一方で南米(ブラジルからスタート)のような、巨大国内マーケットを抱える他の発展途上地域にもフォーカスしている。Warrenはまたロシアやトルコ、中国などを含む他のマーケットでパートナー候補と交渉中だとタエル氏は話した。

Warrenの直近のクライアントには、エストニアのクラウドプロバイダーPilw.ioやインドネシアのクラウドプロバイダーIdCloudHostが含まれる。Warrenを利用することで、顧客はインフラソフトウェアに関連するテクニカル面の問題への対処に時間をかけなくてもよくなる。そのためデベロッパーを含め、顧客のチームはクライアントのサポートや販売している他のサービスの管理に注力できる。

Warrenの最終目標は、ローカルのクラウドインフラプロバイダーが増大する需要に対応し、さらに多くのインストールとエンドユーザーを捌くことができるツールで、ゆくゆくは国際展開できるようにすることだ。ここには自動メンテや、機能テストを合理化したり異なるプラットフォームに対応するDevOpsプロセスといった機能が含まれる。

究極的には、Warrenはエンドユーザーが同じAPIとユーザーインターフェースを通じてアクセスできるネットワークの中でプロバイダーにコネクトしたいと考えている。同社はまた、自社のクライアントがリソースを共有し、いずれはクライアントのアプリやサービスのためのマーケットプレイスを抱えるコミュニティとしてのネットワークを描いている。

競合という点においては、ローカルのクラウドインフラプロバイダーはOpenStack、Virtuozzo、Stratoscale、Mirantisなどをよく利用しているとタエル氏はいう。そうした企業のWarrenより優れている点は幅広いネットワークであり、Warrenもいままさにそれを構築中だ。Warrenは2021年第1四半期までにいくつかのロケーションを1つのプロバイダーにつなげることができると見込んでいる。最終的に同社は「徐々にプロバイダーを互いにつなげ、ユーザー管理をアップグレードし、複雑な問題をさばくためのサービスを構築する」とタエル氏は述べた。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Warren資金調達

画像クレジット:Warren

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(翻訳:Mizoguchi

引用先はこちら:ローカルのクラウドインフラプロバイダーをサポートするエストニアのWarrenが1.5億円調達

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