孫正義さん「AIは人々を幸せにするためにある」
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孫正義さん「AIは人々を幸せにするためにある」
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ソフトバンク株式会社とSB C&S株式会社は10月29~10月30日に、法人向けイベント「SoftBank World 2020」を開催した。今年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止の観点から、ライブ配信などによる初のオンライン形式での実施となった。

SoftBank World 2020では、ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役会長 兼 社長の孫正義さんが、同社グループによるデジタル医療やメガネ販売、デジタルメディアなど、さまざまな領域での人工知能(AI)活用事例をアピールした。

今回は、数あるなかから抜粋して2つのAI活用事例を紹介し、孫正義さんによるAI社会のビジョンとその決意についても書いていきたい。

26%もの生徒が40点以上成績アップする学習指導サービス

中国企業のZuoyebangが手がけるオンライン学習指導サービスでは、生徒が問題をスマホのカメラで撮影すると、すぐに答えを解く手順を教えてくれる。中国では同サービスの月間アクティブユーザーは1億7000万人もいるという。

孫正義さんは同サービスについて、「先生は『宿題を出しても、うちの学生・生徒は答えが全員正解で返ってくるならば、宿題を出す意味がないじゃないか』と思いがちです。ですが、そんなことはありません」と強調する。同サービスはただ答えを教えるわけではなく、続々と類似問題を出すため、学生・生徒は類似問題を解ける能力が身につくというのだ。

実際、生徒の試験成績に目を向けると、100点満点のテストにおいては、全体の26%もの生徒が40点以上改善、38%もの生徒が30点〜40点改善したといったデータも存在する。

孫正義さんはこのような状況を踏まえ、「日本の学生も負けていられません。先生方もどんどんAIを使って、日本の生徒たちをもっと賢くしていくべきだと思います」と語った。

すでにアメリカでは自動運転によるデリバリーが始まっている

アメリカ企業のNuro(ニューロ)は、自動運転技術を用いた無人配送車を開発している。すでにアメリカではカリフォルニア州、テキサス州、アリゾナ州において、同社が手がける無人配送車が食品や生鮮食品のデリバリーのために、一般の道路を時速40kmで走っているという。

NVIDIA 創業者/CEOのジェンスン・フアンさんとの対談でも、自動運転への強い希望を語っていた孫正義さんは、「順番としては人間を運ぶよりも、モノを運ぶ。このほうがより安全だし、より早く許認可も降ります」「いくら技術があっても、許認可を得て、一般道でどんどん実績を積み上げていかないと、前に進みません」と主張している。

一方で、同社の無人配送車の安全性については、人間が車両の横に出てきたり、トラックの物陰から人が出てきたりといったイレギュラーな状況を認識し、安全に運転を止めたり、避けたりできると説明した。アメリカの反応次第では、日本を含む海外でも導入が期待できるかもしれない。

孫正義さん「AIは情報革命で人々を幸せにするためにある」

最後に、孫正義さんは自身の抱えるAI社会のビジョンに言及した。

孫正義さんは「AIは情報革命で人々を幸せにするためにある」と主張している。具体的には、「人々が交通事故で亡くならない、急にいろんな伝染病で亡くならない、心臓病だとか癌(ガン)だとか病で亡くならない」といった生命の危機を救うだけではなく、さらに「人々がもっとエンターテインメントを楽しむために、人々が買い物をもっと楽しむために」存在するというのだ。

このようなAI社会への展望を踏まえ、孫正義さんは「AIは決して人を不幸せにするためではなく、人々をもっと快適で、豊かで愉快な、そういう世界をもたらしてくれるためにあります。そのために、これからこの革命は進むと、私は非常にポジティブに捉えています。ぜひ、このエキサイティングな時代に生まれたことを幸せだと思い、この革命に貢献していきたい。心からそう思っております」と決意を明らかにした。

孫正義さん、今後のAIに「興奮している」

なお、SoftBank World 2020では、冒頭でソフトバンクグループ株式会社 代表取締役会長 兼 社長の孫正義さんが基調講演を実施し、今後のAIへの「興奮」を語る場面もあった。気になる人は以下の記事をチェックしてほしい。

引用先はこちら:孫正義さん「AIは人々を幸せにするためにある」

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