フードデリバリーのDoorDashがIPO申請書類を公開、驚異的な成長が明らかに
AI.
2020年初めの申請を経て、DoorDash(ドアダッシュ)は米国時間11月13日にS-1を公開し、様々な数値がガラス張りになった。年末までに予定されている公開デビューに近づいた。
同社は最近の米国における市場の混乱と選挙の混沌にもかかわらず、年末までにIPOが予想されるスタートアップの1つだ。
DoorDashは多額の投資を受けている。Crunchbaseによると、食品配達の巨人である同社はこれまで約25億ドル(約2620億円)の資本にアクセスした。直近では6月に4億ドル(約420億円)のラウンドを実施し、ポストマネーで160億ドル(約1兆6800億円)という高額で評価された。IPO価格を設定して取引が開始される際の期待が高まったことになる。
以下は同社の数字の簡単な要約だ。TechCrunchのクルーは11月13日午前中にはIPO書類を読み込む。株主の状況、法的リスク、その他の詳細については追って報告する見込みだ。
数字
DoorDashは信じられないほど急速に成長し、売上高は2018年の2億9100万ドル(約300億円)から2019年には8億8500万ドル(約930億円)に拡大した。直近では、2019年の最初の9カ月の5億8700万ドル(約610億円)から2020年の同期間は19億2000万ドル(約2010億円)に拡大した。
つまり2020年は目下226%の成長ということだ。これが高い価格で多くの資本を引き付けた理由を説明している。
DoorDashの収益の質は高いのか。2019年の最初の3四半期の粗利益は39.9%だったが、2020年の同期間は53.1%に上昇し、消費者向け商品配送を営む同社にとって大幅な改善となった。
DoorDashの急成長と粗利益率改善の結果、収益性が大幅に向上した。営業損失は2019年の最初の9カ月の4億7900万ドル(約500億円)から、2020年の同期間はわずか1億3100万ドル(約140億円)に減少した。純損失はわずかに改善し、同期間でそれぞれ5億3300万ドル(約560億円)と1億4900万ドル(約160億円)だった。トップラインの成長や収益の質の向上と比べれば重要ではない。
DoorDashは、第4四半期に向かうにあたり、約16億ドル(約1680億円)の現金及び現金同等物を保有している。つまり、IPOを行わなくても資金をまかなうに十分な現金を持つ。同社が外に打って出るのは、機が熟したと考えるからだ。
DoorDashのすさまじい成長を牽引したのは注文数と総注文数の大幅な増加だ。一方、粗利益率はコアビジネスの収益性の著しい改善によって上昇したようだ。以下のデータを見て欲しい。
貢献利益の2019年から2020年にかけての変化と、黒字へと跳躍した調整EBITDAをみると、Uber(ウーバー)がUber Eats(ウーバーイーツ)ビジネスで同じことを達成するのに苦労しているのが不思議に思える。とにかく、調整後で黒字への転換は、最終的にGAAPベースで利益を出すことへのウォール街の懸念を和らげるのに十分なはずだ。
このまま行けば1年程度でそれが達成できる。
また、DoorDashの事業はキャッシュを生み出す領域へと転じた。2019年の最初の3四半期の営業キャッシュフローはマイナス3億800万ドル(約330億円)だったが、2020年の同期間はプラス3億1500万ドル(約330億円)へと増加した。
全体を一見して筆者は強い印象を受けた。筆者の予想よりも会社は大きく、成長は速く、キャッシュの流出も少ない。キャッシュ生成能力、黒字になった調整EBTIDA、粗利益の改善を考慮すれば、DoorDashの価値はかなりのものだろう。ソフトウェア会社のような経常的な収益がなく、ワクチンが将来の成長を遅らせる可能性があるなら、DoorDashが価格を設定する時にSaaS会社のマルチプル(企業価値評価の指標)を獲得することはない。しかしおそらく、160億ドル(約1兆6800億円)のバリュエーションを守ることは、数字を入手する前に予想していたほど難しくはないだろう。
カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:DoorDash、新規上場
画像クレジット:Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)
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