MS Officeのサポート企業AvePointが企業価値2100億円でSPAC経由の上場へ
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AvePointは、Microsoft Office 365やSharePoint、Teamsなどを使っている企業に、それらに対するコントロールレイヤーを提供している。同社は米国時間11月23日、Apex Technology Acquisition CorporationとのSPAC合併で上場すると発表した。この取引でAvePointの価値はおよそ20億ドル(約2090億円)になる。
この買収で、テクノロジー業界の強力な役員たちが一堂に会することになる。Apexを経営しているのは元OracleのCFOであるJeff Epstein(ジェフ・エプスタイン)氏と、元Goldman Sachsの技術投資銀行部門のトップBrad Koenig(ブラッド・ケーニッヒ)氏で、2人はこれからAvePointのCEOであるTianyi Jiang(ティエンイー・ジャン)氏と密接に協働することになる。Apexは2019年9月に、3億500万ドル(約318億円)のSPACを申請している。
この取引の条件として、Apexの残高3億5200万ドル(約367億円)と、1億4000万ドル(約146億円)のプライベート投資がAvePointに引き渡される。取引の手数料とそのほかの報酬が支払われた後、AvePointのバランスシートには2億5200万ドル(約263億円)が計上されると予想される。AvePointの既存の株主は合併後の法人の約72%を保有し、残りをApex SPACとプライベートな投資のオーナーたちが手にする。
ジャン氏は、これが同社を成長させる方法と考えており「上場によって弊社はこの要求に応えられるようになり、プロダクトのイノベーションとマーケティングの進展、国際市場、および顧客の成功のためのイニシアチブなどすべてにわたって、より高速なスケールアップが可能になる」と述べている。
AvePointは2001年に、SharePointのインストールの複雑性を緩和する企業として創業された。当時のインストールは、すべてオンプレミスだった。現在、同社はSaaSツールとしてクラウドへのシフトに適応し、主に社員たちがこれらのツールを確実なコンプライアンスのもとに使っていることを、企業が確認できるためのポリシーレイヤーとして動いている。
同社は1月に、Sixth Street Partners(元TPG Sixth Street Partners)がリードするラウンドで2億ドル(約209億円)を調達(未訳記事)し、これに以前の投資家であるGoldman Sachsが参加した。現在Apexのケーニッヒ氏はそのときの投資を通じて、AvePointを知ったと思われる。
今回の発表前までの同社の調達総額は2億9400万ドル(約307億円)で、2020年の予測年商は1億5000万ドル(約156億円)、ARR(年間経常収益)の成長率は30%以上と見られる。なお、同社の年商とARRは2019年の第1四半期以降、成長が続いている。同社の予測では次の2年間も成長が大きく、2022年末では売上2億5700万ドル(約268億円)、ARRは2億2000万ドル(約299億円)を予想している。
この取引は、2021年最初の四半期に完了すると予想されている。完了後も同社の名前はAvePointのままであり、チッカーシンボルAVPTでNASDAQに上場される。
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画像クレジット:Brasil2 / Getty Images
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)
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