#アナタノミカタ 

Uberが空飛ぶタクシー事業ElevateをJoby Aviationに売却、最後の夢の事業から撤退
AI.

Uber(ウーバー)は空飛ぶタクシー事業Elevate(エレベート)をJoby Aviation(ジョビー・エイビエーション)に譲渡した。同配車サービス企業は、主軸事業に専念して利益を出そうと、いくつもの壮大な構想の事業を売却してきたが、これが最後の1つとなる。

発表された取引は、UberがJobyに7500万ドル(約78億2000万円)を投資し、両社のパートナーシップを拡大するという合弁契約の中の一部だ。2019年に、完全電動垂直離着陸乗用航空機を開発しているUberとJobyは、UberのElevate事業のための車両パートナーとなる契約に署名している。Jobyは、空飛ぶタクシーサービスを2023年までに開始することを約束した最初のパートナーだった。

この7500万ドルの投資は、JobyのシリーズCラウンドの一環として2020年1月に投資され、これまで公表されていなかった5000万ドル(約52億1000万円)への追加投資だとUberは話している。現在までにJoby Aviationは、8億2000万ドル(約854億7000万円)を調達した。Uberは、このスタートアップに対して合計で1億2500万ドル(約130億3000万円)を支援している。

2021年の初めに締結が予定されているこの契約に従い、2つのパートナー企業は、それぞれのサービスを統合して互いのアプリに提供することに合意している。

「高度な航空輸送業は、環境と未来の世代に飛躍的な利益をもたらす可能性があります」と、UnberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は声明の中で述べている。「この契約により、私たちは、この分野の明白なリーダーであるJobyとのパートナー関係を深め、これらのテクノロジーのための市場作りを加速します」。

Jobyは数あるリーダーの中の1つと思われるが、Elevateはたしかに競合他社も利用するベンチマークを確立するなど、この新興産業の形作りに貢献してきた。

「Uber Elevateのチームは、この業界に重要な役割を果たしたばかりでなく、10年以上の経験を活かして大変に優れたソフトウェアツールを開発し、オンデマンドの移動サービスを可能にしました」と、Joby AviationのCEOであるJoeBen Bevirt(ジョーベン・ビバート)氏は声明で語っている。「それらのツールと新しいチームメンバーは、私たちの商業サービスの開始を加速する上で欠かすことができません」。

1年前、Uberのビジネスモデルは「以上すべてのアプローチ」と分類できた。つまり、配車サービス、マイクロモビリティー、流通、梱包、食品宅配などを含むあらゆる形態の運送業から収益を上げる戦略だ。新型コロナウイルスのパンデミックとコスロシャヒ氏の収益重視の方針により、Uberはその冒険的な事業を処分し、Postmates(ポストメイツ)を買収(未訳記事)して配達サービスを強化する方向に急ぐこととなった。

現在ではUberは、2020年の一連の取引で手放したマイクロモビリティー、流通、自動運転車の手腕を保ったまま、配車サービスと配達に専念する企業となった。

JobyとElevateの合弁は、2020年結ばれたUberの別の2つの合弁とよく似ている。Uberは、マイクロモビリティーのスタートアップLime(ライム)への1億7000万ドル(約77億2000万円)の投資ラウンドを主導した。この取引の一環として、LimeはUnerのマイクロモビリティー事業Jump(ジャンプ)を買収。Jumpの従業員の大半にあたる400人を解雇した。今週の初めには、自動運転車スタートアップのAurora Innovation(オーロラ・イノベーション)は、合弁契約を通じてUberの自動運転部門(ATG)の買収を巡る交渉に同意した。合弁後の両社の評価額の合計は100億ドル(約1兆422億7000万円)となる。

Limeと、そして今回のJobyとの取引と同じく、Auroraも最後の評価額が72億5000万ドル(約7555億5000万円)だったUner ATGに現金は支払わない。その代わりにUberは、AuroraにATGの株式持ち分を譲渡した上に4億ドル(約416億9000万円)を投資し、Auroraは合弁後の株式の26%をUberに渡すことが、米証券取引委員会の資料に記されている。

Uberによると、10月に同社はUber Freight(ウーバー・フリート)事業の株式5億ドル(約521億1000万円)分を、ニューヨークの投資会社Greenbriar Equity Groupが率いる投資家グループに売却した。この取引では、同部門の投資後の評価額を33億ドル(約3439億円)としている。Jump、Evelate、ATGの場合とは違い、Uberは、Uber Freightの株式の過半数は現在も持ち続けている。

関連記事
空飛ぶタクシー事業目指すJoby Aviationはトヨタ主導で650億円を調達
Uberが自動運転部門Uber ATGを売却、購入したAuroraの企業価値は1兆円超え
Uberが貨物運送事業で優先株を発行して約530億円を調達、キャッシュ確保の一環

カテゴリー:モビリティ
タグ:UberElevateJoby Aviation売却空飛ぶタクシー

画像クレジット:ROBYN BECK/AFP / Getty Images

原文へ

(翻訳:金井哲夫)

引用先はこちら:Uberが空飛ぶタクシー事業ElevateをJoby Aviationに売却、最後の夢の事業から撤退

#アナタノミカタ