イオン、商品ラベルがあっているかAIで判定 時間は従来の半分に
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イオングループのイオンフードサプライ株式会社は10月から、人工知能(AI)を活用し、食品工場の検査業務を効率化させる「リモートラベルチェックサービス」を本格的に運用開始した。本サービスの開発元である日立造船株式会社が12月14日に発表した。
本サービスは、作業者がタブレット端末のガイダンスに沿って製品を撮影し、AIが撮影した1枚の画像から製品の内容物とラベルが製造指示内容と一致するかどうかを判定できる。作業者とAIの協働により、作業者の技能や判断に頼らない検品作業を実現するとうたう。
現場作業に則したシステム化により、作業全体のヒューマンエラー防止、作業者の業務負担低減、業務の効率化が図れるという。検品時間は従来比で半分になり、生産性を向上させられるとのこと。データの運用は社内のICT活用の拠点「Hitz先端情報技術センター(A.I/TEC)」で実施することで、適時性と専門性を兼ね備えたワンストップのサービス提供を実現させるとしている。
イオンフードサプライでは、全国5拠点(千葉、神奈川、静岡、愛知、兵庫)の包装値付け工程で評価・試行の後、運用を開始した。商品ラベルと製品形態の組み合わせは1000通り以上もある。これらの目視検品をAIで代替することで、目視負荷を90%以上削減でき、作業効率の改善に貢献するとのこと。
なお、日本経済新聞は本サービスを肉の種類や部位を判別し、「焼き肉用ラム肉」「すき焼き用牛肉」など、商品ラベルと一致しているかを検査するものと報じている。本システムを導入することで、従来は従業員2人で2〜3分かけて目視で作業していたところが、1人かつ1分程度で実施できるようになったとのこと。
業務負担軽減やヒューマンエラー対策が求められていた
食品業界では、食の安全を守る「フードディフェンス」を目的に、各種検査装置の導入など対策を講じている。こうしたなか、同社は生産ラインの記録映像を効率良く検証するシステム「食レコ」を2006年から食品業界に提供し、これまでに約200の施設に導入してきた。
また、スーパーマーケットへ肉や魚などの生鮮食品を納入する食品加工センターでは、食材を盛付け・包装したうえで、商品ラベルや値付けラベルを貼る工程がある。しかし、作業者が目視でラベルの正誤を検査していることがほとんどで、作業者の業務負担軽減やヒューマンエラー対策に加え、ペーパーレス化も求められていたという。
日立造船はこれらの課題を解決するために、食レコで蓄積した知見とAIを活用し、検品作業を正確かつ効率化する「リモートラベルチェックサービス」を開発したとしている。
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松尾豊氏がAIの未来を語る場面も、日立造船がAIビジネス活用で1位に
なお、日立造船は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が後援する「第2回ディープラーニングビジネス活用アワード」において、プラントや発電所などに使われる、熱交換器の損傷を検査するためのシステム「AI超音波探傷検査システム」が評価され、大賞に輝いている。
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