オフィスの新型コロナ対策を支援する空気品質監視プラットフォームのOpenSensorsが4.1億円調達
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米国時間12月16日、2013年2月に小学校女子学童に起きた喘息発作は大気汚染が原因であったと英国の裁判所が裁定した(The Guardian記事)。これはこの種の裁定として世界初だと思われる。Ella Kissi-Debrah(エラ・キッシ-デブラ)さんが亡くなったわずか1年後、別の母親も自分の娘の喘息に対する空気汚染の影響を心配し、何か行動すべきだと決断した。
そして本日、Yodit Stanton(ヨディット・スタントン)氏は彼女の空気品質監視のスタートアップであるOpenSensorsのシード資金400万ドル(約4億1000万円)を、Crane Venture Partnersほか匿名投資家によるシードラウンドで調達した。当初このスタートアップは、顧客から得た売上による自己資金で設立された。
OpenSensorsは、センサーを使って空気品質と光強度を監視する。しかしそのデータプラットフォームは特別だ。同社のテクノロジーは職場と労働者の環境とパターンを明らかにすることを目的としている。競合にはCondeccoやWorkplace Fabricらがいるが、同社のアプローチの方が「全方位」だ。
現在複合施設をもつ30社以上の顧客が北米、アイルランド、英国およびヨーロッパにいる。業界は保険、金融、テクノロジーなどだ。
建物の費用は企業にとって2番目に大きい出費であり、英国の事務所コストは年間200億ポンド(約2兆8000億円)に上るが、スペースの半分は、通常のパンデミック以前の時期でさえ、一日中使われることがなく、利用率はピーク時でも55%にすぎない。また建物は全世界エネルギー利用の36%、二酸化炭素排出量の39%を占めている。OpenSensorsは湿度、二酸化炭素濃度なども測定してウイルス感染を減少させる最適環境へと導くことで、企業が社員と職場の安全を取り戻す手助けをする。
「私たちの仕事や生活のやり方は、誰もが想像できなかった速さで変わっています。いまは持続可能性を考えながら実世界をどのように使っていくのかを考え直し、職場をそこで働く人たちにとってよりよくするための、人類最大のチャンスが訪れています」とスタントン氏は語る。
Crane Venture PartnersのパートナーであるScott Sage(スコット・セージ)氏は「データに基づく予測、実世界における利用状況、および既存顧客の実績をもつOpenSensorshは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)環境下の信頼できるアドバイザーとソリューション提供者であるとともに、新型コロナの蔓延が加速した柔軟な働き方への転換を支援する会社です」と語っている。
スタントン氏は英国の Women In Dataイベントの設立と運営も行なっており、TechCrunchだけにこう話した。「当初は楽しい趣味のプロジェクトとして始まりました。私はIoTをいじっていて、娘が喘息なので近隣の大気品質を測定して、特定の変化が娘の発作と相関があるかどうかを調べてました。しかし、ビルディングを管理できるかとみんなから聞かれるようになった時、本物になったと思いました」。
彼女は、湿度の低下はウイルス伝染を促すという。「だから室内環境では湿度40%前後を保つべきであり、乾燥した空気は人間の免疫システムにも悪影響を与えます」。
これは、空気品質の管理が企業にとって重大問題になったことを意味している。だから、VCがOpenSensorsのような空気品質スタートアップを支援し始めたことは驚きではない。
カテゴリー:ヘルステック
タグ:OpenSensors、資金調達、空気監視
画像クレジット:OpenSensors
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )
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