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AIで筆の穂先を検品、90%以上の精度を発揮「大きな成果」
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株式会社ブレインパッドは2020年12月17日、伝統工芸品「熊野筆」を生産する株式会社晃祐堂とともに、筆の穂先の検品工程を自動化する「不良品検知プロダクト」を開発・導入したことを発表した。これによりブレインパッドは、筆の生産工程の負荷を軽減するとともに、日本が誇る伝統工芸品の後世への技術伝承にも貢献していくとのことだ。

1978年創業の晃祐堂には優れた技術・経験を持つ伝統工芸士が在籍しており、同社が製造・販売する化粧筆には、伝統に裏打ちされた高い技術が用いられているとのことだ。筆先の大きさや膨らみなどがひとつひとつ微細に異なるため、これまでは、晃祐堂の熟練の職人が目視で検品作業していた。

しかし、一人前の職人を育てるには大変な時間と労力がかかるうえ、判断が難しい場合には良品/不良品の判定が人によって異なることもある。晃祐堂は、AIによる画像認識を活用することで、より正確な検品体制を構築したいと考えた。

ブレインパッドは、熊野筆の約5,000枚に及ぶ撮影画像を基に、判定精度90%以上の不良品検知アルゴリズムを開発した。その後、同社は外部ハードメーカーと共同で、「不良品検知プロダクト」を開発。このプロダクトは、穂首が360度回転する間に内蔵カメラが約20枚の画像を自動で撮影し、AIがこの画像を解析・認識することで、数秒での良品/不良品の判別を実現している。

この取り組みについて、株式会社晃祐堂 取締役社長 土屋武美氏は、検品工程における職人の負荷を軽減するだけでなく、後世に伝統技術を伝承していくための一助となる、大きな成果だと述べている。またこの先、「職人の眼」と「AIの眼」が晃祐堂のブランド品質を担保するような未来を実現していきたいと思っているとのことだ。

なお、株式会社晃祐堂 取締役社長 土屋武美氏によるコメント全文は以下のとおり。

──土屋武美氏
「匠の技が集約された熊野の伝統技術により生み出される『熊野筆』は、本当に繊細な伝統工芸品です。当社は、『工場での検品』と『最終検品』の2段階の検品工程を通じて、筆職人が納得する上質なもののみを提供しています。

以前、自社で検品業務のマニュアル化を試みた際には、チェック項目の多さと、判断基準を数値化する難解さのために断念してしまったのですが、ブレインパッドは膨大な写真を丹念に精査するという方法にて、見事に不良品の判別基準を作ってくれました。その真摯な姿勢と高い探求力で今回のプロジェクトを成し遂げていただいたことに、たいへん感謝しています。

この取り組みは、検品工程における職人の負荷を軽減するだけでなく、後世に伝統技術を伝承していくための一助となる、弊社の未来にとってとても大きな成果だと言えます。

今後は、アパレルメーカーが検針機でのチェック結果を出荷時検査の証跡として製品に添えるように、『不良品検知プロダクト』で検品した結果をエビデンスとして添付することなどを見据え、『職人の眼』と『AIの眼』が当社のブランド品質を担保するような未来を実現していきたいと思っています」

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