元アップルエンジニアによるLiDAR開発のAevaが上場を前に206億円調達
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元Apple(アップル)のエンジニア2人が創業したLiDAR開発のAeva(アエヴァ)が上場に先立ち香港のヘッジファンドSylebra Capitalからプライベート投資で2億ドル(約206億円)を調達した。
カリフォルニア州マウンテンビューに拠点を置くAevaは2020年秋に、特別買収目的会社(SPAC)のInterPrivate Acquisition Corpと合併し、ディール後の時価総額は21億ドル(約2166億円)だと発表した。Aevaによると、InterPrivateの普通株を保有するSylebraからの今回の資金調達により、上場後の調達額は5億6000万ドル(約578億円)超になる。
Aevaは以前、PIPE(限られた投資家を対象に行う私募形式の株式の売出)でAdage CapitalやPorsche SEなどから1億2000万ドル(約124億円)を調達した。InterPrivateが投入していた2億4300万ドル(約250億円)を含め、累計調達額はSylebraが追加投資する前で3億6300万ドル(約374億円)だった。
さらに重要なことには、Sylebraは投資の大半で1年固定契約に踏み込み、全適格株で合併を支持する。合併は2021年第1四半期にクローズする見込みだとAevaは述べた。
Aevaの共同創業者でCEOのSoroush Salehian(ソロウシュ・セールヒアン)氏は投資について、同社の事業モデルと成長プランへの「自信の多数票」と表現した。Aevaは調達した2億ドルをさらなるR&Dへの投資とクルマ、電化製品、産業アプリケーションといった主要特定分野におけるプログラムを大規模展開するのに使う、と同氏はTechCrunchへの電子メールで述べている。
「ここ数カ月、そうした分野で当社のユニークな4D LiDARテクノロジーに対する顧客の関心が高まってきています。追加のリソースによって当社はこの増大する需要によりすばやく対応できます」と同氏は話した。
光検出とレーダー距離測定のLiDARは車周辺の高精度な3D地図を作成するのにレーザー光を使って距離を測定する。Aevaの創業者であるセールヒアン氏とMina Rezk(ミナ・レズク)氏は「4D LiDAR」と呼ぶものを開発した。太陽やその他のセンサーの干渉を抑制しながら、距離に加えて範囲はそのままにすぐさま速度も測定できるというものだ。同社のFMCWテクノロジーは省電力でもあり、知覚ソフトウェアに盛り込むことができる。
LiDARセンサーは、自動運転車の商業展開に必要不可欠なものと広くとらえられている。ただ、このセンサーには多くのユースケースがあり、自動運転車の商業展開への道のりが思っていたよりも長いものになるとわかってから、LiDAR開発会社は他のユースケースを追求し始めた。ここ2年間、自動車メーカーはLiDARを消費者に提供する新しい乗用車、トラック、SUVの高度ドライバーアシスタンスシステムの能力や安全性を高めるために使われる重要なセンサーとして考えられるようになってきた。Aevaのテクノロジーは、主に自動運転車両と高度な運転アシスタンスシステムでの使用を想定して開発されてきた。そしてこのテクノロジーは電化製品での活用でも関心を呼び起こしている、とセールヒアン氏は述べた。
従来のIPO手法を回避してSPAC合併を通じて上場するLiDAR企業はいくつかあるが、Aevaはそのうちの1社だ。VelodyneとLuminarもまた上場企業になるためにSPACと合併した。LiDARスタートアップのOusterは2020年12月にSPACのColonnade Acquisition Corpとの合併を通じて上場することに合意したと発表した。
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カテゴリー:モビリティ
タグ:Aeva、LiDAR、資金調達、SPAC
画像クレジット:Aeva
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(翻訳:Mizoguchi)
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