米HuluでライブTVにバイアコムCBSとの契約合意で14の新チャンネル追加
AI.
Hulu(フールー)とViacomCBS(バイアコムCBS)の間で新たに結ばれた契約は、HuluのライブTVストリーミングサービスに14の新しいチャンネルをもたらすと同時に、Huluで様々なCBSの放送局やShowtime(ショウタイム)の視聴も引き続き可能になる。
バイアコムCBSによるとこの新たな複数年の配信契約によって、Hulu + ライブTVの加入者はBET、Comedy Central(コメディ・セントラル)、MTV、Nickelodeon(ニコロデオン)、Paramount Network(バラマウント・ネットワーク)、VH1、CMT、Nick Jr.(ニック・ジュニア)、TV Land(TVランド)、BET Her、MTV2、NickToons(ニックトゥーンズ)、TeenNick(ティーンニック)、MTV Classic(MTVクラシック)などのケーブルネットワークをストリーミング視聴することが可能になるという。
このHuluとの契約により、米国で利用できる2つの大手ライブTVストリーミングサービスが、バイアコムCBSのチャンネルラインナップを配信することになる。その中で最大のHulu + ライブTVは、ディズニーの第4四半期決算時点で410万人の加入者を獲得。一方、YouTube TV(ユーチューブTV)はAlphabet(アルファベット)の第4四半期決算時点で300万人が加入している(9to5Google記事)。
バイアコムCBSは2020年前半に、Google(グーグル)が所有するYouTube TVにも同じチャンネルのラインナップを導入し、CBSの各放送局と有料チャンネルであるShowtimeのストリーミング放送を可能にすることで、YouTube TVとの契約(DEADLINE記事)を強化してきた。Hulu +ライブTVも、CBS Sports Network(CBSスポーツネットワーク)、Pop TV(ポップTV)、Smithsonian Channel(スミソニアンチャンネル)、The CWを含むCBSの放送局を、Showtimeとともに継続して配信できることになった。
バイアコムCBSが、そのケーブルチャンネルのラインナップをHulu + ライブTVに提供することは、2019年にCBSと統合する前(未訳記事)のバイアコムとは異なる戦略を表している。以前は、現在閉鎖されたPlayStation Vue(未訳記事)のような他のストリーミングサービスと同様、Huluにこの契約を見送らせることになった(Variety記事)。当時、Huluは有料テレビ事業者との契約を、より伝統的なキャリッジ契約に絞っていた。
新たに統合された会社としての最初の1年間で、バイアコムCBSは異なる方向を追求するようになった。2020年以降の同社は、Comcast(コムキャスト)、Dish(ディッシュ)、Verizon(ベライゾン、TechCrunchの親会社)、Nextstar(ネクストスター)、Meredith(メレディス)、Cox(コックス)、Sinclair(シンクレア)との主要なキャリッジ契約を完了させただけでなく、YouTube TVやHuluとの増分収益に関する契約も取り決めた。
しかし、ストリーミングサービスの顧客にとって、これらの契約は必ずしも歓迎されるものではない。新しいチャンネルへのアクセスが得られるのはうれしいことだが、このような契約は月額料金の値上げにも繋がるからだ。たとえばYouTube TVは、バイアコムCBSのチャンネルが追加されたことで、2020年6月に30%の値上げを行った(Fortune記事)。
Huluは2020年11月、番組制作費の高騰を理由に、2020年12月18日から米国でライブTVサービスの料金を月額65ドル(約6700円)に値上げすることも発表している。当時は値上げを特定の契約に起因するものとはしていなかったが、バイアコムCBSが主導するライブTVサービスの拡大がその決定の要因となったことは、今となっては明らかだと思われる。
バイアコムCBSのYouTube TVと今回のHuluとの契約は、同社が今後予定しているストリーミングサービス(未訳記事)、Paramount+(パラマウントプラス)にどのように顧客を引きつける方法を計画しているのかという疑問を提起する。CBS All Access(CBSオールアクセス)を拡張してリブランドしたこのサービスは、2021年に開始予定だ。もっとも、バイアコムCBSのチャンネルだけがその売りというわけではない。そのライブラリーコンテンツは、CBSの各チャンネルに加え、新しい「スタートレック」のようなオリジナルシリーズで、かなりの部分が構成されているからだ。
「我々はHuluと契約拡大で合意に至ったことに興奮しています。この新たに結ばれた契約は、次世代のTVプラットフォームと視聴者に向けて、各ブランドが持つ強力な資産の価値を明白に示すことになるでしょう」と、バイアコムCBSの米国ネットワーク配信担当社長であるRay Hopkins(レイ・ホプキンス)氏は、今回の契約に関する声明の中で述べている。「Huluは引き続き素晴らしいパートナーであり、今回の契約によってHulu + ライブTVのご契約者のみなさまはニュース、スポーツ、エンターテインメントを網羅した当社の優れたコンテンツをお楽しみいただけるようになります」。
バイアコムCBSは、新チャンネルがHulu ライブTVで視聴できるようになる時期を明確に述べていない。
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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Hulu、ViacomCBS
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(翻訳:TechCrunch Japan)
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