インドの通信会社Reliance Jio Platformsが総額1.6兆円調達、5年以内に上場へ
AI.
もしあなたのベンチャーファンドが、ここ数週間でReliance Jio Platforms(リアイアンス・ジオ・プラットフォームズ)に投資(未訳記事)した10の投資家の1つではないなら、急成長しているインドの通信ネットワークに少なくとも数四半期は現金を投入することができなくなった。同社はもはや資金調達取引を求めていないからだ。
過去9週間で152億ドル(約1兆6300億円)を調達したReliance Jio Platformsは6月19日、前日のサウジアラビアのPIFからの15億ドル(約1600億円)の投資(未訳記事)により「現段階でのJio Platformsによる資金面でのパートナー勧誘は終了となる」と発表した。
Jio Platformsほか多数の会社の親会社であるReliance Industries(リアイアンス・インダストリーズ)を束ねるMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏は、Jio Platformsと国内最大の小売チェーンであるReliance Retail(リアイアンス・リテール)が「戦略的投資家および金融投資家から高い関心を集めた」と語った。だが次は「今後2〜3四半期の間に両社へ世界的な人材を招き入れる」。
インド最大の資産家である同氏は、今後5年以内にJio PlatformsとReliance Retailの両方を上場する予定だと付け加えた。「上場を実行すれば、間違いなく世界で最も強力なバランスシートを持つことになる」
本日の発表により、3カ月近く続いた一連の騒々しい資金調達のニュースはおそらく終わりを告げる。4年足らずで3億8800万人以上の加入者を獲得したReliance Jio Platformsは4月、Facebookから57億ドル(約6100億円)を調達したと発表した。
それから数週間で、同社はSilver Lake(シルバーレイク)、KKR、General Atlantic(ジェネラル・アトランティック)を含む9つの著名な投資家からさらに95億ドル(約1兆200億円)を調達した。
Bloomberg(ブルームバーグ)によれば、今年の世界的なパンデミックの間に続いた巨額の資本注入は、世界全体の通信会社への投資の半分以上を占めた。アンバニ氏が「スタートアップ」と表現するJio Platformsは152億ドル(約1兆6200億円)の調達により、昨年だけでインドのハイテクスタートアップエコシステムを全部あわせたよりも多くの資金を調達した。
アンバニ氏は6月19日、そもそもReliance Jio Platformsがなぜ資金調達しているのかという市場の憶測についても確認した。同氏は、調達した資金により、Reliance Industriesの正味の借入金210億ドル(約2兆2000億円)を予定より早く返済できたと語った。2012年に無借金であった石油と小売の巨人は、再び正味の借入金がゼロになったと同氏は述べた。
アンバニ氏は昨年8月、インドで最も重要な企業であるReliance Industriesが2021年初頭までに借入金をすべて返済すると株主に約束していた。
「本日、当初計画していた2021年3月31日よりも大幅に前倒しでRelianceの正味の借入金をゼロにし、株主への約束を果たしたことを発表できることを嬉しく思う」
画像クレジット:Sanjit Das / Bloomberg / Getty Images
[原文へ](翻訳:Mizoguchi)
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