エンジニアなど技術系の給与はリモートワークの普及でどう変わるか
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採用プラットフォームのHired(ハイヤード)は毎年、何十万件もの面接依頼やジョブオファーからのデータに基づいて技術系の給与を調査している。今年も過去と同様に、世界中のソフトウェアエンジニア、プロダクトマネージャー、DevOpsエンジニア、デザイナー、データサイエンティストの給与が同社によって調査された。
言うまでもなく今年は特殊な年である。パンデミックが起きたことでリモートワークへのシフトが加速していることもあり、Hiredは今年、新型コロナウイルスの前後で調査結果を2つのパーツに分割して調査を実施することにした。2019年に誰に幾らの給与が支払われたかに関するデータが公開されると共に、Facebookが同社の従業員に対して行うと述べているように、より多くの企業が地域ごとにローカライズされた給与を採用した場合、この数字が今後どう変化していくのかについても公開された。
初めに、新型コロナウイルスが世界に強烈な影響を与える前の数字を見ていただきたい。
Hiredによると、サンフランシスコからロンドンに至るまで、テクノロジーに携わるすべての人々の給与は2020年に向けて着実な増加傾向にあった。サンフランシスコの給与は昨年7%上昇し、平均的な技術系労働者の年収は15万5000ドル(約1650万円)となっていた。その後に僅差で続くニューヨークの平均的な技術系労働者の給与は14万3000ドル(約1520万円)となる(2018年から8%増加)。シアトルは3%増で14万2000ドル(約1510万円)、ロサンゼルスとオースティンの平均は13万7000ドル(約1460万円)となっている(ロサンゼルスは2018年から8%増、オースティンは10%増)。
米国ではプロジェクトマネージャーに最も高額の給与が支払われており、平均して15万4000ドル(約1640万円)となっている。一方でソフトウェアエンジニアの給与は平均14万6000ドル(約1560万円)、データサイエンティストの給与は13万9000ドル(約1480万円)、デザイナーの給与は13万4000ドル(約1430万円)となっている。
2020年にますます問われるようになった質問としては、こういった労働者がサンフランシスコのような物価が高い都市から、より物価の安い地域に移住した場合、前述の数字はどのように変化していくかである。Hiredはベイエリア特有のこの質問に答えることができたようだ。そして驚くことではないが、現地で稼いでいた賃金が移住後もそのまま変わらないと仮定すると、他の地域ではその金額は全く違う意味を持つことになると言う事実も発覚した。
例えばベイエリアでの年収15万5000ドル(約1430万円)は、物価の安さが幸いしオースティンでは22万4000ドル(約2400万円)、デンバーでは20万2000ドル(約2150万円)の年収に相当に値する。
しかし優秀な人材を求めている企業にとって計算は単純なものではない。Hiredが2300人の技術系労働者を対象に実施したアンケートによると、回答者のほぼ3分の1が、リモートワークが恒久的になった場合、給与の減額を受け入れることをいとわないと述べている(一方で半数以上は受け入れないと述べている)おり、リモートワークが恒久的になった場合、53%が「高確率で」または「ほぼ確実に」物価の安い地域に移住すると述べている。また半数が最低でもコロナ後も週に1度はオフィスに戻りたいと述べている。
悩ましい問題である。唯一明確になったことと言えば、月曜日から金曜日まで毎日出勤する日常には、ほとんど誰も戻りたいと思っていないということだ。具体的には、毎日仕事に行きたいと答えているのは全回答者のわずか7%である。
当然のことながら、技術系労働者が住む場所や給与に関して実際にどの程度柔軟でいられるかは、仕事の安定性やそれをどう認識するかによって大きく異なる。おそらく時代の動向もあり、Hiredのアンケートによると意見の一致はほとんど見られない。
調査した数千人の技術系労働者のうち、42%が今後6か月間の解雇を懸念していると述べ、39%が「現在の仕事を辞めたいと思っているが、仕事が見つかるか不安なため辞められずにいる」という発言に同意している。
どちらのケースにしても、解雇されることや他の仕事を見つけることに不安を感じていないという人の割合の方が多くなっている。
HiredのCEOであるMehul Patel(メフール・パテル)氏は今後、リモートワークの増加が給与などに関する全体的な期待値にどのように影響するかを綿密に追跡していくと我々に語ってくれた。
現時点では、ローカライズされた給与の計算方法に関するメトリックを公開することにより、このような混乱した時期において求職者や雇用側が少しでも安心できるようになればと同氏は言う。「それこそが、こういった研究を行いレポートを公開する大きな理由だからです」。
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[原文へ](翻訳:Dragonfly)
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