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マイクロソフトが「Together」モードでビデオ会議の疲れを軽減
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ビデオ会議。新型コロナウイルスのパンデミック中のリモートワークへの移行に伴い主流になったかもしれないが、問題がないわけではなく、いま使うのをやめる人も増えつつある。それにはもっともな理由がある。結局、きっちりとした四角に入った20人(全員背景が異なり、カメラを見ていない)に注意を向けようとしても、脳が集中力を維持するのは非常に難しい。これについては証拠となる逸話も多い。Microsoft(マイクロソフト)7月8日、この分野に関する調査の一部と、ビデオ会議を使いやすく疲労も抑えるTeams(チームズ)の新機能を発表した。

最初はTogether(トゥギャザー)モード。アイデアは実際にはかなりシンプルだ。TeamsにはすでにマイクロソフトのAIセグメンテーションテクノロジーが搭載されており、参加者を認識して背景から切り出し、背景を変更したりぼかしを入れたりできる。Togetherモードでは、全員の画像を共通の背景上に表示する。まず仮想の「講堂」から提供する。たくさんの小さな四角ではなく、会議参加者全員がこの講堂に座っているように見える。マイクロソフトの調査によると、標準のリモートコラボレーションツールより脳内の処理がかなり簡単になる。

画像クレジット:Microsoft

「当社の予備調査ではかなりのことがわかった。ただし調査はまだ予備的で、ほんの数カ月前しか調査していない」とマイクロソフトのMarissa Salazar(マリッサ・サラザール)氏は本日の発表に先立ち筆者に説明した。「何よりもまず、お互いを見る方法がこれまで慣れ親しんだものと明らかに異なることに気づくはずだ。人物がグリッドから外れただけでなく、『鏡の中の自分達』を見ることになる」。この方法についてマイクロソフトは、例えばよくやるように理髪店で鏡に向かって話しかけるのと同じだと主張する。こうして我々自身の脳を騙して、参加者がビデオ会議で必ず経験するアイコンタクトの問題を軽減する。

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「当社の調査によると、このモードで参加するよう頼まなくても、人々は会議をより楽しく感じ、積極的に参加し、カメラの前に長くいても快適だと感じる傾向があることも示した。そして私が最も重要だと思うのは、人間同士の対話にとって重要性の高い振る舞いとは何か、その手がかりをつかんだことだ」とサラザール氏は述べた。

マイクロソフトのヒューマンファクターエンジニアリンググループのディレクターであるMichael Bohan(マイケル・ボーハン)氏は、グリッドビューを削除するだけで大きな違いが生まれると指摘した。「グリッドビューがあると、すべての人がハコに入るため、脳はそれらを個々の部分として扱う必要がある。つまり、すべての情報を解析する必要がある。グリッドの枠を取り払うと、脳は物事を統合された風景として見る」。

現時点では、Togetherモードは最大49人の参加者を収める講堂ビューのみを用意しているが、マイクロソフトはより親密さを感じる「コーヒーショップ」モードなど他のビューにもすでに取りかかっている。

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マイクロソフトが導入したもう1つの新しいモードはDynamic(ダイナミック)ビューだ。これはTogetherモードがあらゆる種類の会議に適しているわけではないという考え方に基づいて用意された。このビューでは、共有コンテンツと会議参加者の表示方法をより詳細に選択できる。コンテンツと特定の参加者を並べて表示する機能などが含まれる。

また、今回のアップデートで新しく追加される機能には、たとえば照明レベルを微調整するビデオフィルターや、もうすぐ追加されるライブリアクション機能がある。後者は、会議を中断せずに感情を絵文字で共有できる機能だ。さらに、近日中にPowerPoint Live Presentations for Teamsも追加される。チャットの吹き出しが表示される機能で、チャットビューをいつも開いたままにしておく必要がなく、キャプションやトランスクリプト(議事録)に発言者が誰かを表示できる。マイクロソフトはTeamsのチャットにGmailのような「返信サジェスチョン機能」を導入する予定だ。

まだある。Teamsの会議では最大1000人が参加者できるようになるため、全社で集まる会議を開催できる。プレゼンテーションの場合は最大2万人が参加者できる。

マイクロソフトの音声アシスタンス機能であるCortana(コルタナ)はまだ生きている。「彼女」はTeamsモバイルアプリにも登場し、電話発信や会議参加を助けてくれる。またマイクロソフトは本日、CESで最初に発表した専用のTeams Displays(チームズディスプレイ)を再導入した。

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マイクロソフトのCVPであるJared Spataro(ジャレッド・スパタロウ)氏が本日の発表に先立って筆者に強調したもう1つの新機能は、新しいReflect(リフレクト)メッセージング拡張機能だ。「これにより、マネージャーにチームの健康状態をチェックしてもらうことができる」と説明する。「チェックは匿名・公開いずれでも可能だ。我々自身のチームですでにいくつかの機能を使っている。従業員の状況を確認したいだけだが、この機能があれば構造化された方法で確認できる。マイクロソフトの顧客と話した内容から考えて、これは本当に受け入れられると思う。こうしたウェルビーイング(健康や幸福)の部分が非常に重要になりつつあるからだ」。

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画像クレジット:Alistair Berg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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