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アップルがイスラエルのARおよびカメラ技術のCameraiを密かに買収していた
AI.

Apple(アップル)は事業拡大のために小規模スタートアップを買収することでよく知られている。このニュースはその種の買収の最新のものだが、買収からほぼ2年経っている。2018年から2019年のどこかで、iPhoneの巨人がイスラエルを拠点とする拡張現実とコンピュータービジョンの会社であるCameraiを買収し、同社は閉鎖されたと報じられた。CameraiはかつてTipitと呼ばれていた。

このニュースは8月20日、イスラエルの新聞Calcalistが初めて報じた。TechCrunchはアップルに直接問い合わせた。一方、CamoraiをMoty Kosharovsky(モティ・コシャロフスキー)氏、Erez Tal(エレズ・タル)氏、Aaron Wetzler(アーロン・ウェツラー)氏と共同で創業したCEOのJonathan (Yehonatan) Rimon(ジョナサン・イェホナタン・ライモン)氏にも報道について直接問い合わせたが、何となくコメントを断られた。別の情報筋は本件について認めた。詳細は随時更新する。

Calcalistによると、Cameraiは数千万ドル(数十億円)で売却された。同社は2015年に創業されて以来約500万ドル(約5億3000万円)を調達した。内容は2017年の250万ドル(約2億6500万円)のラウンドと2018年の未公表の250万ドル(約2億6500万円)だ。投資家の中にはAtooro FundとSKO Fundが含まれる。

この買収が成立したのは、ARがおそらく過大評価のピークに達していて、多くの大手テック企業が何らかのアクションを取ろうとしていた時代だ。Cameraiはすでに多くの企業からアプローチを受けていたようだ。2018年は、Magic Leap(マジックリープ)が1回の資金調達で約10億ドル(約1060億円)を調達した年であることを思い出してほしい。2018年当時、TechCrunchはアップル、Samsung(サムソン)、Alibaba(アリババ)がCameraiにアプローチしているという噂を聞いた。

Calcalistによると、Cameraiの従業員はアップルのコンピュータービジョンチームに加わり、同社の技術はすでにアップル製品に組み込まれているという。具体的な時期ははっきりしないが、iOS 13とiOS 14の両方でカメラのソフトウェアが大幅にアップデートされたことを思い出してほしい。

CameraiはSDK(ソフトウェア開発キット)と、特にカメラで撮った画像を洗練された方法で編集・使用するのに役立つ一連のソフトウェアベースのARツールを開発した。

Cameraiの技術には以下の機能が含まれている。画像内のさまざまなオブジェクトを検出し、その輪郭を正確に描き外観を変える機能。画像全体に輪郭を描きフィルターを適用する機能。人間の写真に重ねてリアルタイムで体の関節を検出・描画する「スケルトントラッキング」ニューラルネットワークAPI。進化したポートレートモード用の独自の焦点選択機能(2018年当時は携帯電話に標準装備されていなかった)。Cameraiのサイトはもう閉鎖されているが、インターネットアーカイブから拾ったウェブサイトのスクリーンショットを下に掲載した。

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Cameraiの買収は、いくつかの興味深い継続的な傾向を浮き彫りにした。

第1にスマートフォン技術の発展で、特にカメラに関するものだ。スマートフォンカメラの技術に関する興味深いイノベーションのいくつかは、ハードウェアではなくソフトウェアの改善によるものだ。人工知能に画期的な技術を適用すると、センサー、レンズ、電話、クラウドプロセッサという既存の組み合わせから、より優れた、従来より技術的にダイナミックな画像が生み出される。

スマートフォンの買い替えサイクルが以前に比べて遅くなり、ハードウェアのイノベーションのスピードも落ちている現在、携帯電話会社外部の人材と技術の活用が競争力を獲得する1つの方法だ。

(それとは別に、最先端の技術がソフトウェアベースになると、将来的には古い携帯電話モデルへの有料アップデートの可能性が生まれる。不完全な新しいデバイスへの投資を望まない消費者からも稼ぐ余地があることを意味するのではないかと思う)

買収が浮き彫りにした第2の傾向は、大企業がボルトオン(既存事業の補完を目的とする買収)のための技術を探す場所としてイスラエルが肥沃な土壌であり続けているということ、そしてそれは今後も秘密裡に行われる可能性が高いということだ。

「イスラエルには30カ国から350を超えるグローバル企業がイノベーションを探しに集まっている。アップル、Microsoft(マイクロソフト)、Google(グーグル)のような会社はイスラエルで研究開発も行っている」とテルアビブで活動するベテランバンカーでありスタートアップアドバイザーでもあるAvihai Michaeli(アビハイ・ミカエリ)氏は述べた。「こうしたグローバル企業は主に競争力強化に役立つ技術を求めている。買収したスタートアップが買収された事実を発表したり話したりしないよう求められるのはこれが初めてではない」

アップルがイスラエルで買収した会社には、カメラモジュールメーカーのLinX、半導体スタートアップのAnobit、3Dセンサー会社のPrimeSenseなどがある。

詳細がわかり次第、記事を更新する。

画像クレジット:Camerai

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(翻訳:Mizoguchi

引用先はこちら:アップルがイスラエルのARおよびカメラ技術のCameraiを密かに買収していた

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