TikTokがコミュニティガイドラインを拡張、「ウェルビーイング」の新機能を展開
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TikTokは米国時間12月15日、嫌がらせ、危険行為、自傷行為、暴力などの分野における既存方針を強化することを目的とした新しいコミュニティガイドラインを発表し、併行してユーザーのウェルビーイングに焦点を当てた4つの新機能を導入することを明らかにした。これには、自傷行為や自殺念慮に苦しむ人々のためのリソースの更新、痛ましいコンテンツを隠すオプトイン表示画面、TikTokをよりアクセスしやすいものにするためのテキストから音声への変換機能、新型コロナウイルス感染症関連の広範囲に渡るリソースが含まれている。
多くのトピックは今回の変更に先立ってすでにTikTokのコミュニティガイドラインでカバーされていたが、今回の更新では各領域により特化し、プラットフォーム上で見られるユーザーの行動パターン、ユーザーからのフィードバックや、学識者、市民団体、TikTok自身のコンテンツアドバイザリーカウンシルなどの各専門分野からの意見に基づいたアップデートになっているという。
1つは自殺と自傷行為に関する内容の改善である。今回更新されたガイドラインでは、メンタルヘルスケアの専門家の意見に基づき、自傷行為の常態化を避けるために注意すべき反応や言葉について規定されている。また、摂食障害の内容に関し、危険なダイエットを正当化したり称賛したりすることを禁止する旨を追加している。
いじめやハラスメントに関するポリシーの強化では、個人情報をネット上で晒すことや、サイバーストーキング、セクシャルハラスメントに対するより広範なポリシーなど、TikTokで歓迎されないコンテンツや行動の種類についてより明確にしている。過去にTikTokユーザーがマスクをしない看護師の働く場所を特定したケースがあり、これが少なくとも看護師の解雇に繋がったことを考えると、この更新は特に興味深い。ただしこのケースでは自宅住所を公開したのではなく雇用主に警告しただけであったことから、TikTokがこの種の「個人情報を晒す」行動にどのように取り組むのかは不透明だ。
別のアップデートでは、危険行為やチャレンジ行為についてのコンテンツの制限、ラベル付け、削除に努める危険行為ポリシーに関するガイドラインを拡充している。未成年の安全ポリシーに「有害な活動」についての項目を追加し、青少年の安心安全を脅かす危険な行為やゲーム、その他の有害な活動を助長するコンテンツの禁止について強調している。
また、危険な個人や組織に関するポリシーを更新し、暴力的過激主義の問題に焦点を当てた。今回更新されたガイドラインでは、何が具体的に脅威や暴力への扇動とみなされるか、TikTokが禁止している内容や行動について、より詳細に説明されている。トランプ氏の支持者の多くが、大統領選挙での敗北を受けて新たな内戦やその他の暴力を求めていることから、この更新も時宜を得たものといえるだろう。
新機能に関しては、自傷行為のような行動に関連する悩みを抱えるユーザーをサポートするリソースの追加がある。Providence、Samaritans of Singapore、およびTikTokの米国コンテンツ諮問委員会のメンバーを含む行動心理学者や自殺予防の専門家と協力し、新たなリソースを作成した。これらの新しいリソースにより、「自傷」や「自己嫌悪」などの言葉で検索すると、研究結果に基づいた改善のための情報が表示されるようになる。なお、引き続き以前と同様、緊急時のサポートのためにTikTokのセーフティーパートナーの各団体へのアクセスが可能となっている。
また、人によっては生々しいと感じたり苦痛を感じる可能性がある動画のトップに表示される新しい確認機能を導入する。これらの動画はすでにおすすめの対象外となっているが、規制されない可能性がある。たとえば、ドキュメンタリーの理由で削除されていない暴力や戦闘が映像に含まれる場合もある。自然界の動物の中には、獲物を狩ったり殺したりして、動揺させるものがある。ホラークリップのように、恐ろしさを感じさせるものもある。
ユーザーがフラグを立ててTikTokがこうした不快なコンテンツを認識すると、確認画面が動画に適用されて予期せぬ視聴を減らしてくれる。この機能を利用することでユーザーは、画面下部のボタンで動画をスキップするか視聴するかを選択できるようになる。
さらに、アクセシビリティを目的とした新しいテキストを音声に変換する機能により、タイプしたテキストを動画で再生する音声に変換することが可能になる。これは、TikTokが最近、光過敏性てんかん患者をサポートする機能をローンチしたことに続くものだ。
TikTokはまた、アプリ内の新型コロナウイルス感染症関連情報ページに新型コロナウイルスのワクチンに関する質問と回答を追加している。これらは疾病対策予防センター(CDC)などの公衆衛生の専門家が提供するもので、トレンドページ、検索、新型コロナウイルスとワクチン関連動画へのバナーからアクセスできる。同社によると、新型コロナウイルス関連情報ページはこの半年ですでに20億回以上閲覧されているという。また、TikTokはTeam Haloと提携しており、世界中の科学者が動画投稿を通じてワクチンの進捗状況を共有できるようにしている。
TikTokはプラットフォーム上のコンテンツのモデレーションに関してかなり積極的だ。フィードを長くスクロールすると、ポリシー違反で削除された自分の動画について嘆くユーザーが見つかるだろう。またユーザーが他のユーザーの削除した動画を再アップロードして返信しているものもある。11月に広まった選挙の誤報についても、TikTokは#RiggedElectionや#SharpieGateなどのハッシュタグをブロックすることで迅速に対応した。
選挙後におこった暴力を求める声など、最近のユーザー行動に対応する変更も、本日発表された新しいポリシーに含まれている。
「TikTokのコミュニティの安全性を保つことは、私たちが常に意識すべき最重要事項です」とTikTokは今回のアップデートに関する発表の中で述べている。「問題のあるコンテンツや行動が新たに現れた際に、迅速に検出して対応することがユーザーに対する責任であることを私たちは認識しています。そのために、TikTokはポリシーを進化させ続け、違反コンテンツを自動的に検出する技術を開発し、TikTokの体験とコンテンツの好みを最適化する機能を構築し、信頼できる環境を育むためにコミュニティを形成していきます。こうしたアップデートによって、ユーザーにとって前向きで有意義なTikTok体験を実現できるよう努めてまいります」。
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[原文へ](翻訳:Dragonfly)
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