自己肯定感とは、自分の存在を肯定的に受け止められる感覚のことを言います。自己肯定感の高い人は、どんなことがあっても自分は大丈夫と信じているので、少々のことは笑い飛ばせますが、自己肯定感の低い人は「自分はダメだ」という感覚に囚われやすく、ネガティブになりがちです。諸外国に比べて日本人は自己肯定感が低い傾向にあります。自己肯定感の低い人の特徴を見てみましょう。
<1>現実逃避する
自己肯定感の低い人は、現実逃避をする傾向があります。本気になると、上手くいかなかったときにがっかりすることになるので、初めからどうせだめだとあきらめて本気で取り組まないこともあります。そしてうまくいかなかったときは、やっぱりできなかったわね、と、本気出してないから仕方ないわよ、と自分が傷つかないようにしています。興味があることがあっても、やはり傷つくのを恐れて、興味のないふりをしたり、上手くいかなかったときに、悲劇の主人公を演じたりすることもあります。
<2>人に比べて自分が勝っているとパフォーマンスをする
自己肯定感の低い人の中には、自慢話をよくするタイプの人がいます。小さなことでも、自分を大きく見せようと、自慢話が止まらなかったり、他人を批判して自分を優位に見せようとしたり画策します。やたらとアドバイスをしたがり、アドバイスをしたことを他人がちゃんとやったかどうか結果の報告を求めてくるタイプの人もいます。他人と比較して、自分が優位に立っていることを確認すると安心できるという心理不安を持っています。
<3>あきらめてしまう
自己肯定感の低い人の中には、どうせ自分なんて、と思っていてすぐにあきらめてしまう人がいます。「どうせ自分なんか」「どうせだめだから」「無理」などの口癖をよく使います。どうせ自分なんてと思っているので、褒められるのがとても苦手です。褒めてもらうと、いえいえいえいえ…と過剰に尻込みしてみしていくタイプです。はじめから、あきらめているので、大抵のことはうまくいきません。過去の失敗にいつまでもこだわっていて、トラウマに感じていたりします。常に、他者との比較をしているので、そこから劣等感を感じることが多く、何かを決定しなければならない局面でも、自分一人で決められないということがあります。
<4>人にどう見られるかが敏感なタイプの人
自己肯定感が低い人は、何をするときでも、人にどう見られるかが気になり、過度に他人のことを気にしたり、人に気を使います。常に周りに気を使っていて、自分より他人を優先します。他人によく見られようと、自己犠牲を払ってまでも他人のために頑張ってしまったりします。そこで、貢献を認められれば良いのですが、認められなかったときに深く傷つき落ち込みます。頑張ったのに報われないと嘆くタイプです。
<5>自分の良さに気づけません
自己肯定感の低い人は常に、自分と他者を比べているので、他者に比べて自分が劣っているところばかりが気になります。「自分なんかどうせだめだ。」という感情に支配されると、自分の良さに気づけなくなり、自分を信頼したり、期待をすることができなくなり、本来の能力を発揮できません。ちょっとしたミスにくじけたり、大事な場面で委縮したりしやすい傾向があります。いつも「できない」という口癖を持っていて、自分一人ではなかなか決められず、人に依存しやすい傾向があります。
漂うような息苦しさを常に持っていて、たとえ行動したとしても、行動とはうらはらに満たされることがありません。完璧主義が失敗を許さないため、比較相手が出現するとへこみやすい傾向があります。
まとめ
自己肯定感の低い人の根底には、自己肯定感を他者の評価によって満たそうとする本当の目的が見え隠れします。
この自己肯定感を少しでも上げるためには、自分の思考のパターンに気づくことが第一歩です。そのためには、頭の中を流れる言葉を、紙に書き出してみると良いでしょう。
書き出した言葉の中で、気分が上がる言葉は問題ないですが、気分の下がる言葉は、同じ意味で気分が上がりそうな言葉に言い換えてみると良いかもしれません。
例えば、「無理」という言葉を、「できる可能性がある。」と、「難しい」という言葉を「簡単ではない」と言い換えたりすることも大切です。
この、脳内の言葉の書き出しを行うことにより、自分の本音の感情に気が付くこともあるかもしれません。本音の感情には未来の希望や願いが秘められていることもあるので、じっくり向き合ってみるのもいいですね。
また、今日できた良かったことを書き出したり、次の行動を決めたりすることも大切です。小さな喜びの感情を自分に与えてあげることを繰り返していくと、少しずつ自己肯定感が上がってきます。無理のない小さな成功体験を積み上げていくことで、他者の評価に惑わされない自分を認められるようになっていきます。
そして、成功した時には、自分で自分を褒めてみてください。小さな成功体験を、自分で褒めることが習慣になっていけば、おのずと自己肯定感は高くなっていくでしょう。