劣等感を克服するには
#アナタノミカタ 

「劣等感」とは、自信がない、あるいは他人よりも劣っていると感じることを言います。この劣等感を持っていると、他人との比較の中で、不当に自分の価値を下げてしまったり、自分自身を否定してしまったり、人とのコミュニケーションがうまくいかなくなったりして、生きづらさを感じてしまいます。では、この劣等感を克服することができるとしたら、どうでしょうか。ここでは、この劣等感を克服する方法をいくつか紹介したいと思います。

 

 

 

<1>劣等感を受け入れる

人は誰でも劣等感を持っています。なぜなら、人は意識しないままに「こんな人になりたい」とか、「こんな人生を送りたい」という目標を持っているからです。この目標を持つという思考は、人であるがゆえに存在するのです。そして、この目標は、目標であるので、当然、常に現実よりも高く掲げられるため、目標を達成するために頑張って、クリアするとまた次の目標ができるといったように永久に未達成のまま存在します。そして、未達成の目標があるために劣等感を感じてしまうのです。この劣等感は、人よりも劣っている人の特有のものではなく、周囲からは完璧に見える人、優れている人であっても、皆が等しく持っている主観的なものなのです。どんな人にも平等に劣等感はある、自分だけではないと受け入れてみましょう。目標がある限り劣等感はあるのです。

 

 

<2>劣等感のメリットを生かす

劣等感のメリットは、それを埋めるために頑張ろうとする思考回路です。劣等感があるために、足りない部分を自覚することができます。だからこそ、足りない部分を埋めようとして努力します。裏を返せば、常に、今よりも、もっと成長したいと無意識に感じていることの証のようなものです。これをうまく生かして、将来自分がなりたい理想像を決められれば、そして、それを前向きに受け止めて、行動につなげることができれば、成長につなげられる感情です。劣等感から逃げずに立ち向かい、偉業を成し遂げて歴史に名を遺した人物もたくさん存在します。劣等感をバネにして大きく飛躍してみましょう。

 

 

<3>不健全な劣等感を消していく

劣等感の中には、自虐的で、自らの成長を阻む不健全な劣等感があります。例えば、「今回ダメだったから、次もダメに違いない」とか、「クラスのみんなが私を嫌っている」とか「友達が笑っているのは、私をバカにしているからに違いない」などと思い込むことは、明らかに行き過ぎた思い込みであり不健全な劣等感と言えます。今回ダメだったからと言って、次回もダメな確率は100%ではありません。冷静に考えてみれば、失敗の確率は五分五分かもしれません。クラスの全員が自分を嫌っているということは、ほとんどあり得ませんから、冷静に自分のことを嫌っている人の名前を一人ずつ挙げてみれば、せいぜい56人程度であると気付くでしょう。友達が笑っているのは、何か他の事かもしれないのです。このように、不健全な劣等感を克服するには、一つ一つの思い込みに対して冷静に証拠を上げたり数字で確かめていくことが有効です。それが、過度の思い込みであると理解できれば、不健全な劣等感は少しづつ消えていきます。

 

 

<4>強がるのをやめる

劣等感があることを言い訳にして、人生の課題から逃げ出すことを劣等コンプレックスと言います。この時に、自分が劣等感を感じていることを正直に認められず、自分はむしろ人より優れているとアピールする人がいます。このタイプの人は、自分が本当に強くなる努力をしないで、強く「見える」ように振舞います。弱い人に対して威張ったり、外では静かなのに家の中では横暴に振舞ったりするのが典型で、このタイプの人は弱い自分を受け入れて、強がるのをやめることが必要です。本当に強くなる正しい努力をする必要があります。

 

 

<5>できない自分を受け入れる

本当に強くなる努力をしましょうといっても、できない自分を責めていると前に進むことができません。劣等感を克服するためには、できない自分をありのままに受け入れることが大切です。自分のダメなところを受け入れるのには勇気がいりますが、人間はそもそも不完全な生き物です。この不完全であることを受け入れる勇気を持つことが、とても大事です。これができると自己受容ができ、少しずつ自己肯定感が上がってきます。「欠点を直したら、OK」なのではなく、「欠点があってもOK」な自分。ありのままの自分を受け入れることが、大切な第一歩です。

 

まとめ

劣等感は人に特有の感情で、誰もが持っている主観であり、劣等感のメリットを生かす行動に繋げられれば成長につながります。半面、不健全な劣等感は、自分のダメな部分を責めるので自己肯定感を下げてしまいます。できない自分を責めている限り、永久に幸せになることはできません。どんな自分もありのままに受け入れる勇気を持ちましょう。

劣等感を持つこと自体は、不健全ではありません。むしろ、この劣等感をどう扱うかで人生が大きく変わっていくでしょう。

 

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