
人といる時、気を遣って疲れてしまうことはありませんか?
また、普通にしているつもりなのに、「そんなに気を遣わないで」と人から言われることはありませんか?
できればお互いにストレスなく、もっと楽に関われたら良いですよね。
そこで今回は、自己犠牲気味のあなたに、気の遣いすぎを軽減し、軽やかに生きるためのヒントをお送りします。
自分軸を持つ
気を遣うのは、環境に適応するために身に着けた習慣や、思いやりの現れ。きっとあなたの優しさで救われた人も多いはずです。まずは頑張ってきた自分を認めてあげましょう。
一方で、いつも人に合わせていると、自分の意志や選択が二の次になってしまいます。
また、嫌われたくないという気持ちや、どうしたいか分からず流されてしまうのが原因であれば、自分の軸を他人に預けていることになります。
それが続くと、「こんなに自分を犠牲にしてあげてるのに報われない」という不満や、「私って何なんだろう」というモヤモヤが蓄積していきます。
そんな状況を防ぐためには、自分と向き合って、自分軸を知ることがおすすめです。
①価値観を知る
自分は何が好きで、何が嫌いなのか?これまで楽しかったこと、嬉しかったこと、悲しかったことは何か?一つ一つ書き出してみると、自分の価値観が見えてきます。
②未来像から考える
今の自分は、過去からの延長線上だけではなく、理想の未来から逆算して作ることもできます。未来どうなっていたいか、そのために今できることはあるか、考えてみましょう。
③自分の気持ちを素直に感じる
自分の気持ちを抑えていた時間が長いと、気持ちを自分でシャットアウトするようになり、「あなたはどう思う?」と聞かれても答えられない…という事はないでしょうか。
そういう時は、日々の生活で気持ちを感じるトレーニングをしてみましょう。朝起きたら窓を開けて日光を全身で感じる。デザートを選ぶとき、カロリーや栄養素を頭で考えるかわりに、感覚で選んでみる。趣味で自分の気持ちを解放する時間を持つ。小さなことですが、これも自分を知る第一歩なのです。
「でも、気持ちを伝えるやり方なんてわからないし…」という人のために、次項で具体的な方法を見ていきましょう。
コミュニケーションを学ぶ
どう伝えていいか分からず、何も言えずに終わってしまうことはありませんか?
いつもガマンしているとストレスが溜まりますよね。かといって、遠回しな言い方をするとイヤミにとられる可能性もあります。
そんな時に役立つのが、アサーティブ・コミュニケーションです。
これは、相手を尊重しつつ自分の主張もする方法で、次のような特徴があります。
客観的に事実を見る
例えば、「眉を寄せ、目を細めてスマホを見ている」というのが事実。「この人はイライラしている。私のせいかも」と思うのは、あくまであなたの推測です。もしかしたら、近眼なだけかも知れませんよ。
自分の気持ちを伝え、提案をする
ポイントは、主語を「私」にすることです。「私はこう感じる」「こうしてくれたら私は嬉しい」など。主語を「あなた」にすると、「あなたが間違っている」「あなたはこうすべき」など批判的になりやすいためです。
また、一方的に要求するのではなく、相手に選択の余地がある提案にします。
相手の意見も聞いて、どうするか一緒に考える
もし相手の答えがNOでも、大丈夫。代替案を出すなど、お互いにとって良い方法を一緒に探りましょう。
それでは、具体例を見てみましょう。
ケースA:仕事が手一杯の時に、上司から追加の仕事を頼まれた場合。
ガマンするタイプは、そのまま引き受けて締め切りに間に合わなくなったり、無理をして体調を崩したりするかもしれません。
でも、次のようにアサーティブに伝えられたらどうでしょうか?
例「今、○○の仕事を持っていて、更に仕事を入れると締め切りに間に合わなそうです。着手は明日○○の提出後になりますが、それでもよろしいでしょうか?」
このように伝えると、ストレスなく調整ができますね。
ケースB:恋人と2人でデートするつもりだったのに、行ってみたら恋人の友達も来ていた。
友達が帰った後、恋人に「デートなのに、何でよ!」と詰め寄りたくなりますが、相手にも事情があったのかもしれません。これからの関係性も視野に入れて、アサーティブに伝えてみましょう。
例「お友達を誘っていたんだね。今日は2人きりでいられると思って楽しみにしていたから、少し残念だったな。お友達に会うのは私も楽しいから、次からは事前に知らせてくれると嬉しいんだけど、どう思う?」
前提となるのは、相手を尊重・信頼して、自分の責任において誠実に向き合う姿勢です。
人のせいにしたり、一方的に責めたりするだけでは、解決も遠ざかってしまいます。相手も自分も大切にする「伝え方」を学んで、人と良い関係を築いていきたいですね。
線引きをする
いくら気を遣って接していても、人の感情はコントロールできないものです。人はそれぞれ異なる経験や価値観にもとづいて物事を見ているため、感じ方が違うのです。
例えば、あなたがAさんに優しい言葉をかけたとします。あなたがAさんとのコミュニケーションにおいて最適と思われる言葉を選ぶところまでは、あなたの範囲です。
しかし、Aさんがその言葉をどう受け取るかはAさんの範囲であり、あなたがコントロールできることではありません。ですから、Aさんの反応が思った通りでなくても、「自分が間違っている、自分が悪い」と思う必要はないのです。
もし本当に自分が悪かった場合は、素直にAさんに謝って意見を聞き、次回の改善につなげることができます。違う人間だからこそ、コミュニケーションが役立つのです。
体を動かす
体と心はつながっています。頭で考えて気にしすぎてしまう時は、体を動かしましょう。
適度な運動には、不安やストレスを軽減し、楽観的な気持ちを増やす効果があります。さらに、定期的な運動を続けることで、脳が幸福感を感じやすくなり、意志力が向上します。
物事の受け取り方も前向きになるので、気にしすぎて辛くなることが減るでしょう。
運動を習慣化するコツは、最初から負荷をかけすぎないことです。まずはストレッチやランニングなど、気軽にできることから始めてみるといいですね。
まとめ
人生の主人公はあなたです。気を遣うことは、人間関係をスムーズにするために時には必要ですが、一番大切なのは自分の気持ち。一度きりの大切な人生ですから、他者の反応に振り回されず、自分に素直に生きていきたいですね。
出典・参考:平本式